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(昭和55年度〜59年度)
第5節 国際協力援助事業の伸張
1.二国間財団の設立 日仏笹川財団
フランスはわが国と同様に古い歴史と文化に裏打ちされた先進工業国であると同時に、世界の平和と繁栄のための日米欧の3極構造を支える重要な国家の一つでもある。わが国の経済的地位の向上に伴いヨーロッパ諸国との間でさまざまな摩擦が生じ、また、ソ連や東欧情勢の急変など従来の世界構造が大きく変化するなかで、日仏の協力関係を強化することは、両国の友好関係を維持・発展させるためだけでなく、新しい世界秩序を構築するうえでも不可欠なものとなった。
しかし、フランス国民のわが国に対する関心や理解は必ずしも十分とはいえず、日仏両国が世界に対し先進工業国としての使命を果たすためには、両国民の相互理解と友好親善関係を一段と強めることがなによりも必要であった。こうした背景をもとに、本会が拠出した40億円を基本財産とし、1990年(平成2年)3月に日仏笹川財団(本部;パリ)が設立された。
同財団の目的は、日仏両国の国民に造船および関連工業を含む産業技術の研究開発、歴史、社会制度、文化等のあらゆる分野で相互の理解を深めさせ、友好関係を強化することにあり、当面は、1)日仏間の人物交流、2)日本におけるフランス研究、フランスにおける日本研究、3)フランスにおける日本語教育、日本書籍のフランス語版出版、4)芸術・文化など広範な分野での催物の開催、等を中心に独自事業や両国の各種団体・個人に対する助成活動を展開していくこととなった。
同財団がこれまで助成を行ってきた主な事業には、フランス人学生、教師、ジャーナリスト等の日本留学・研修、モーリス・アレ氏著作の日本語翻訳、日本版画に関する著作物の出版、シャンティ陶器の出合いセンター創設、若手日本人外科医のフランス招待、仏教研究者の日本派遣、現代人形劇センターのフランス公演、JAPAN’92第3回ビデオフェスティバルなどがある。


 [上]日仏笹川財団の設立などについてのミッテラン大統領
 と意見交換する笹川良一会長
 [下]第1回日仏笹川財団理事会(パリ)

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