二度にわたるオイルショックを経て世界の経済構造は大きく変化し、また情報通信技術の急速な発展により、企業や人間の営みは国境を超えたボーダーレスなものとなった。 国家間の相互依存関係がますます深まり、国際情勢が複雑化するに伴い、わが国自身が世界の動き、諸外国の動きに関する十分な認識と情報を有することが必要であるばかりでなく、わが国の社会、文化、動向について諸外国に正しい情報・知識を与えることが重要になってきた。 こうしたなかで笹川良一会長は、日本やアメリカ・ヨーロッパ各国の各界リーダーと話し合い、わが国と欧米諸国の国民が互いに理解を深めあい、相互交流を促進することを目的として、アメリカ、イギリス、フランス、スカンジナビア諸国との間に二国間財団を創設した。本会は民間外交の重要性に着目してこれらの財団にそれぞれ基金を支出し、長期的視野に立って、各国民の融和と世界の平和・繁栄に大きな役割を果たすこととなった。 また、21世紀を担う人づくりに力を入れ、世界各地の大学や教育機関に日本研究・日本語教育のための講座基金を設立したり、日本文化を紹介するための日本センターの建設に資金援助を行うようになったのもこの時期からであった。 一方、世界経済の低迷は開発途上国の経済にも大きな影響を与え、直面する問題の解決を一層困難なものとした。そのため、本会は各種の国連機関や国際機関への資金援助を通じて、途上国がかかえる食糧、保健衛生、教育、人口、環境・開発等、数多くの問題の解決や改善に、政治、思想、宗教、人種の違いを越えて積極的な援助活動を行った。 こうした意欲的な活動を通して、本会と国連・国連機関との連携は一層強まり、国連本部、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(UNICEF)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連環境計画(UNEP)をはじめ各機関に協力援助するまでになった。 |
国連平和賞受賞
国際連合は、昭和57年4月30日、笹 川良一会長の国連諸機関に対する人 道主義に墓づく貢献に対して国連平 和賞を授与した。授与にあたっては 「特に開発途上国における病苦の克 服にむけた尽力をたたえる」旨のデ クエヤル国連事務総長の感謝状が添 えられた。
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