大都市に事業所や人口が集中するのに伴い、大都市圏の交通混雑が加速され、特に朝夕のラッシュ時における鉄道・バスなど大量公共交通機関の輸送力増強が強く要望されるようになった。 そのため、首都・近畿・中京3大都市圏における旅客の流れの方向および経路、時間帯別利用状況、乗換状況等、大量公共交通機関の動的な利用実態を把握するとともに、人口分布と輸送量の関係、運送需要構造の変化等を解明するため、昭和55年度に(社)日本バス協会、(社)日本民営鉄道協会、(財)公営交通事業協会により、それぞれ民営バス、民営鉄道、公営鉄道・バス・路面電車等の利用者を対象に、大規模な利用実態調査が実施された。 交通混雑の緩和は、通勤・通学者の苦痛を取り除くだけでなく、都市開発や再開発を推進するうえで避けて通れない問題であり、ひいてはわが国の将来の経済発展を左右することにもなるので、本会はこれらの団体に補助金を支出して、大都市交通センサスを支援した。 この大都市交通センサスにより得られた諸データは、さまざまな角度から集計・分析され、広域都市圏における公共輸送網整備計画策定の基礎資料として活用された。 この調査はその後5年に1度、国勢調査の実施年度に(財)運輸経済研究センターにより実施されるようになり、本会は引き続き補助金を支出してその活動を援助している。 |
第6回大都市交通センサス報告書
営団地下鉄での利用実態調査(昭和60年) |