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(昭和55年度〜59年度)
第3節 魅力ある地域づくり
1.行政支援と公益の確保 自動車排出ガス対策
昭和46年から47年にかけて、自動車による交通事故や交通公害問題等が深刻化し、特に自動車の排出ガスによる光化学スモッグの発生が重大な社会問題となった。これに対処して、政府は自動車排出ガス規制を強化する一方、使用過程車にすでに取付けを義務づけている自動車排出ガス対策機器の公正な評価を早急に行う必要から、47年9月に(財)日本自動車輸送技術協会を設立した。評価試験の実施体制を整えるには、用地の買収、建屋、試験用設備機器等の設置に莫大な資金を要したが、公害防止事業の性格上、これを試験依頼者からの試験料にのみ依存することなく、社会的資本をもって行うことが適当と考えられた。そのため、本会は48年度から63年度にかけ、適宜、自動車排出ガス試験設備整備などのための補助金を支出した。
このうち61年度には、メタノール自動車の排出ガス試験設備の整備資金を補助した。当時運輸省においては、大都市における自動車排出ガス公害の防止対策ならびに石油代替エネルギーの普及促進を図る見地から、メタノールを原料とする自動車の走行試験を開始していた。本会の補助事業によりその低公害性、燃料消費率など各種性能の技術的評価を行う試験装置が整備されたことは、メタノール自動車の普及促進に資するのみならず、大気汚染防止にも寄与するところ大であった。

 排気ガス試験設備



 ヘッドライトの性能確認試験

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