戦後、住民自治、団体自治を基本とした新しい地方自治制度が発足したが、昭和30年代以降、急速な社会経済変動に伴い、地方自治を取り巻く環境は激変した。都市部においては人口の過度集中により、交通の混雑、生活・教育関連社会資本の不足、公害・廃棄物問題等が深刻となり、膨大化する行政需要に自治体財源が追いつけない状況が生じるとともに、社会的な価値観の転換により住民の意識も大きく変化した。 これに対し、地方の農漁村は人口の流出が激しく、地方公共団体としての存立さえ危ぶまれるところも出てきた。 こうして地域社会は年ごとに激しく変貌し、かつて経験したことのない多種多様で複雑な問題が次々と発生、国・地方を通じその解決が緊急の問題となった。 そのためには専門的な機関により、転換期にある地方自治体の当面する諸問題を多面的に調査研究し、地方公共団体の行財政運営の効率化・円滑化と住民福祉の向上を図るための方策を探ることが必要とされた。 そこで本会は38年から54年にかけ、時代の要請に従い地方白治諸分野の調査研究を目的に相次いで誕生した(財)自治研修協会、(財)地方自治情報センター、(財)地方自治協会、(財)地方行政システム研究所、(財)自治総合センター、(財)地方債協会にそれぞれ補助金を交付し、地方自治の各分野における調査研究活動を援助している。 これら団体による調査研究や提言は、地方公共団体の施策にさまざまな形で生かされ、地方自治の発展と豊かな地域社会の形成に役立てられている。 |
自治総合センター発行の地方 自治に関するパンフレット
自治総合センターによるコミュニティ研修会 |