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(昭和55年度〜59年度)
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第2節 造船業の生き残りをかけて
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1.技術開発体制の整備 時代背景−技術開発の必要性
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時代背景−技術開発の必要性 船舶は世界の経済に欠くことのできない海上輸送手段であり、特に石油、鉄鋼石、穀物など必要資源のほとんどを海外に依存し、これを加工して輸出することを経済の要としているわが国にとっては、この海上輸送手段を安定的・効率的に確保することは、経済の安定成長のうえできわめて大きな課題であった。この課題に対して、わが国の造船業は、基幹産業として優秀な船舶を安定的に供給するとともに、船舶の近代化を推進するという大きな役割を担って、これまで経済社会の発展に大きく貢献してきており、今後とも健全な発展が期待されていた。 しかしながら、昭和40年代後半から顕著になってきたわが国経済をめぐる環境の変化は、わが国の造船業にも大きな影響を与えた。 すなわち、高度経済成長の終焉、ニクソンショック、第1次オイルショック、第2次オイルショックとつづく一連の経済環境の変動は、わが国の産業構造を、かつての重化学工業を中心とする基礎資材型産業主導の構造から加工組立産業やサービス産業主導の構造へ、あるいは、各産業内における単純労働集約型の構造から知識労働集約型の構造へと急速に変えていった。 また50年代後半から目立ちはじめた人口の高齢化は若年労働者を減少せしめ、符に労働条件の厳しい造船業において若年労働者の確保を困難にしつつあった。 さらに、近隣諸国では、安価な労働力などを背景に急速に造船業を発展させ、わが国の造船業をおびやかすようになった。 このような環境の変化のなかにあって、造船業が将来にわたって健全な発展をつづけるとともに、優秀な船舶を供給し、経済の発展に貢献していくためには、船舶技術・生産技術両面にわたって造船技術の技術革新を積極的にすすめ、高付加価値船舶の開発、技術優位性の維持、就労環境の改善、生産性の抜本的向上等により、いわゆる先進国型産業へ脱皮することが必要であった。めざましい発展を成し遂げつつあったエレクトロニクス、新素材、宇宙技術等の先端的要素技術を積極的に活用しつつ研究開発を推進することにより、飛躍的な高度化を図り、高信頼度舶用機器を開発し、高信頼度知能化船を実現することが、わが国造船業の牛き残りをかけて要請されるようになったのである。 |
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