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(昭和46年度〜54年度)
第4節 国際援助活動
1.関連諸機関の活動を支援 開発途上国児童の教育と衛生状況の改善
ユニセフの名称で親しまれている国連児童基金は、1946年(昭和21年)の国連総会において国連国際児童緊急基金(UNICEF)として発足した。当初の目的は、戦後のヨーロッパと中国の児童に食糧、医薬品、衣類等の緊急物資を援助することにあったが、1950年に至り、開発途上国の児童に長期的な恩恵を与えるための計画の推進に活動目標が変更され、さらに3年後にはその名称が国連児童基金と改められた。
以来、UNICEFは開発途上国の児童を保護し、その潜在的な力を十分に発揮させるため、保健、栄養、社会福祉、教育、職業訓練等の分野で人道的援助を行ってきた。
1977年(昭和52年)12月、国連総会は1979年を国際児童年と定め、「すべての国連加盟国が人類の将来における児童の果たすべき役割を再考し、その福祉厚生、教育面での発展を期すべく最大の努力を惜しむべきではない」との決議を採択した(第2節の「国際児童年関連事業への協力」参照)。この国際児童年の実施にあたり、国連はUNICEFを主要執行機関と指定し、過去数年の内戦状況から平和を取り戻したレバノンの給水事業をはじめ各種の特別緊急援助を発表、先進国の政府機関や民間団体からの自発的資金の拠出を呼びかけた。
恵まれない地域の子供たちの保健や教育の振興に寄与するため、本会はこれに積極的に応え、昭和52年度にUNICEFに対し初の資金協力を行い、レバノンのほかバングラデシュ、インドネシアにおける飲料水確保のための給水事業を支援した。
引き続き翌53年度には、第1次オイルショックに伴う世界的な物価上昇の影響を最も強く受け、財政難に陥っていたビルマ(現、ミャンマー)とラオスの保健・教育事業に協力した。母親や子供のマラリア患者が急増していたビルマでは、本会の拠出金は予防薬・治療薬の供与に役立てられ、ラオスでは小学校の教育に必要な教材を入手するための調達資金にあてられた。
54年度はバングラデシュの保健事業を支援した。同国では下痢症が児童の死因の第1位を占めていたが、経口水分補給技術の進歩により白毛治療が可能となった。本会の援助金は各家庭にその補給方法の普及を図り、早期治療の重要性を認識させるための教育活動に有効に便用された。


ユニセフの水と衛生のサービス・プロジェクト

ビルマにおけるマラリア抑制活動

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