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(昭和46年度〜54年度)
第2節 福祉・公益事業の拡大
4.多様化する青少年育成事業 旅行施設の整備
戦後、共同生活を通じて青少年に規律・協調・友愛の精神を育てるとともに、野外活動によって健全育成を図るため、ユースホステル運動が奨励された。青少年のための観光レクリエーションや研修施設がまだ十分に整っていなかった時代には、ユースホステル運動の果たす役割はきわめて大きかったので、本会は(財)日本ユースホステル協会の広報宣伝資料の作成ならびに運動広報車の整備事業に補助金を支出し、同協会の活動を援助した。
一方、昭和40年代に入り、国民の観光レクリエーション活動が急速に拡大したのに対し、そうした需要を吸収するための施設整備は後れをとり、既存の観光地への過度集中、旅客輸送施設の異常な混乱や自然破壊など観光公害の現象が随所でみられるようになった。このような状況から46年10月、旅客輸送施設等と整合し、自然と調和した観光開発や観光施設の整備を目的として(財)日本観光開発財団が設立された。
同財団の設立以来、本会はその事業を支援し、新しい観光レクリエーション地域の調査・開発、関連施設の整備から、青少年の健全な旅行活動を促進するための広報誌・ポスター・リーフレット・スライドなどの作成・発行等に至るまで補助金を支出し、わが国観光事業の発展に貢献している。
同財団の事業で特筆すべきものに、46年度を初年度とする青少年旅行村と53年度を初年度とする家族旅行村の整備がある。青少年旅行村は過疎地域の資源の有効利用を図り、公害のない大自然のなかで青少年の育成を図ろうとするものであり、宿泊施設としてキャンプ場、民宿を中心にバンガロー、ケビンなどが完備されている。野外レクリエーション施設としては運動広場やハイキング道路などのほか、地域の特性に応じスキー場、海水浴場、船遊び施設、登山道路、サイクリング道路、レクリエーション農園等が整えられている。平成2年度までに38都道府県に80か所の青少年旅行村が整備された。
家族旅行村は地方都市住民が恵まれた自然のなかで手軽に観光レクリエーション活動ができるよう、地域の資源を生かして滞在型家族旅行に適した観光レクリエーション地区の整備を図ろうとするものである。平成3年現在、家族旅行村として33地区が整備済み、11地区が整備中であり、同年に新しく3地区が家族旅行村に指定された。
このほか昭和63年度から地方における国際観光振興と国際交流の促進を図り、地域の活性化に資する目的で、国際交流村の整備がすすめられている。

キャンプ場(鯵ヶ沢)


ケビン(常北)


バンガロー(御前山)

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