日本財団 図書館
 
Top日本財団三十年の歩み 本史>本史詳細
(昭和46年度〜54年度)
第2節 福祉・公益事業の拡大
3.観光・レクリエーションの振興 
経済のめざましい発展を背景に、政府も昭和30年代半ばには観光振興に目を向けるようになり、38年には、観光に関する国策の基本である観光基本法が制定され、同法の定める基本的政策に基づき国内・国際両面にわたる観光事業の強力な展開が図られることとなった。そして39年には、東京オリンピックを機に、わが国観光事業の飛躍的発展を願って、(社)日本観光協会が設立された。同協会の財源は会員からの会費・賛助金や事業収益のほか、本会からの補助金で賄われることとなった。
40年代に入り、国民所得の向上と、労働時間短縮による自由時間の増大によって、グループ旅行を中心とする観光ブームが到来し、日本万国博覧会が開催された45年にそのピークを迎えた。その後、第1次・第2次オイルショックの影響から50年代には国内の観光旅行は伸び悩みがつづいたが、質的には能動化・個性化・多様化への急速な変化が生じ、長期滞在型旅行、家族単位や高齢者旅行の増加傾向が顕著になった。また観光行政の面でも、自然保護との調和、余暇時間増大への対応等新たな展開がみられた。
60年代初頭には円高不況や大都市への産業・人口集中の激化により、地方産業が停滞傾向を示したことから、観光開発をてこに地域振興を図ろうとする市町村が増え、全国総観光地化の様相を呈するようになった。さらに、リゾート法の成立を契機に自由時間関連開発が全国各地ですすみ、今日、観光事業はわが国経済の主要な一翼に組み込まれ、新たな発展の時代を迎えつつある。
このような国内観光の振興を図る推進母体として、(社)日本観光協会は大きな役割を果たしてきた。本会は同協会の行う観光地の美化・浄化、観光関係諸施設の整備、観光土産品の改善、観光関係職員の資質向上、通訳案内業者の研修、観光に関する調査研究等の事業に対し補助を行っている。
また、同協会は50年度から観光情報システムの研究に着手し、観光情報ファイルを作成して、広く国民の利用に供しているが、これも本会の補助によるものである。さらに、51年以降、だれもが気楽に訪ねることのできる「旅の相談コーナー」の設置をすすめ、54年には大阪駅構内に協会直営の近畿観光情報センターを設置、その後これを全国に拡大した。
今日、本会は同協会の組織活動、観光情報の提供、広報宣伝、調査研究のほか、専門講師による観光総合講座(全国8か所)の開催等を支援しており、わが国における観光振興にとって不可欠な存在となっている。
観光地美化ポスター(昭和58年)



近畿観光情報センター


全国観光情報ファイル

日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION
 
The Nippon Foundation