日本財団 図書館
 
Top日本財団三十年の歩み 本史>本史詳細
(昭和46年度〜54年度)
第2節 福祉・公益事業の拡大
2.生命・財産の保全 
経済の発展に伴い石油・ガス等の危険物の需要は急速に増加し、また都市の過密化・高層化がすすんだ。その結果、爆発事故やビル火災等、従来みられなかった新しいタイプの事故や火災が多発し、人命の損傷も急激に増え始めた。しかも、近い将来、大地震がわが国を襲う可能性も高まってきた。
このような火災・事故・災害から国民の生命・財産を保護・保全する責務を担うのが消防である。本会はその果たすべき役割の重要性にかんがみ、(財)日本消防協会、(財)日本防火協会、(財)全国消防協会の消防3団体に対し支援を行ってきた。
(財)日本消防協会(第1章第4節の「消防・防犯活動」参照)への支援は当初、救急車整備が主であったが、50年代以降はこれに消防技術の訓練指導、海外研修、地震等の防災対策、優良消防団職員表彰、消防団員福祉対策、特殊災害対策、消防広報等が加わり、補助の内容はきわめて多岐にわたった。55年度からは、婦人消防隊の育成強化のための各種事業にも補助金を交付している。
また、56年11月には消防100周年記念事業の一環として、本会の補助により100周年記念全国大会が開催されるとともに、わが国消防の殿堂として東京・虎ノ門に日本消防会館が竣工した。消防関係団体を一堂に収容するこの会館は、非常時には災害情報基地・応急用物資補給基地として機能するように設計されている。
同協会は国際消防交流活動にも力を注ぎ、世界義勇消防連盟の結成に主導的役割を果たしたほか、60年4月には中国消防協会との間で友好協定を締結し、相互の友好と消防技術の向上に寄与している。なお、本会の笹川良一会長は53年5月以来、同協会の会長として世界とわが国消防の発展のために幅広く活躍している。
(財)日本防火協会は39年3月、防火に関する調査研究、防火思想の普及徹底、民間防火組織の振興育成等の目的をもって設立された。
当初は防火に関する調査研究が主であったが、50年度から本会の補助により、少年消防クラブ・婦人防火クラブ等の民間防火組織の結成と防火管理者の育成、防火広報活動のための機材整備等を軸に大幅な事業拡大を図り、さらに56年度からは、幼児期から防火意識を育てるため、幼年消防クラブの組織化にも取り組んだ。
(財)全国消防協会は40年8月、火災・災害の未然防止、防火思想の啓発普及、都市防災機能の整備強化、消防施設の科学化等を強力に推進する目的で、全国の消防職員を会員として発足した。本会は47年度から同協会に対し、消防技術の調査研究・指導、消防広報宣伝等を中心に補助金の支出を行っている。
日本消防協会・婦人消防大会


第12回全国消防操法大会における笹川良一会長



日本消防協会・幼年消防大会

防災用車両・資器材交付式



日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION
 
The Nippon Foundation