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(昭和46年度〜54年度)
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第1節 造船不況始まる
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5.海上災害防止と海洋汚染問題 災害防止対策の整備
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わが国経済の高度成長に伴って、船舶交通もますます輻輳化し、石油類の大規模災害が懸念されるようになった。このような状況をふまえて昭和47年5月、海上保安庁の外郭団体である(財)海上保安協会に、大型化学消防船2隻の建造・運営を業とする「海上消防委員会」が設置された。本会は消防船建造に対して補助金を支出し、消防船第一船「おおたき」が竣工した。 48年7月には海洋汚染防止法が一部改正され、船舶所有者に排出油の防除のための資材の備え付けが義務づけられたことから、財団法人設立の構想が生まれ、笹川良一会長が発起人となって49年12月6日、(財)海上防災センターが設立された。同センターは、海上消防委員会の業務に、海上防災に関する各種の訓練、海上防災システムや海上防災用資機材の調査研究、海上油濁防除用資機材の備蓄業務をあわせ、海上災害の発生・拡大の防止等、海上防災に関する種々の活動を業務として行った。50年7月には消防船第二船「きよたき」が竣工した。 51年9月、海洋汚染防止法が大幅に改正され、10月1日、海上災害防止センターが設立された。同センターは(財)海上防災センターの権利・義務の一切を継承するとともに、改正法律により海上保安庁長官の指示に基づく排出油の防除措置、船舶所有者の委託に基づく排出油防除と消防の防災措置を加えて業務とした。この業務は防災基金7億円によって運用されたが、本会は4億円を支出して協力した。 さらに、同センターは設立以来現在まで各種の海上防災消防船予備機器を整備するほか、各種海上防災訓練施設および教材を整備し、各種海上防災訓練を実施して防災能力の向上を図り、大きな成果を収めている。 |
化学消防船「きよたき」
防災訓練 |
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