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(昭和46年度〜54年度)
第1節 造船不況始まる
3.海洋開発時代の幕開け 高性能半没水型海洋開発用船舶の開発
海洋開発の舞台が次第に沿岸を離れ、遠く海象気象の厳しい沖合の海域に求められるようになると、それに対処した新しい船型の海洋開発用船舶の開発が強く要望されるようになった。
そこで(財)日本舶用機器開発協会では、1880年代にアメリカでその概念が発表され、1969年(昭和44年)になってオランダで海洋開発支援船「デュープラス号」として、また1973年に米海軍海洋調査実験支援船「カイマリノ号」として建造された半没水型双胴船に着目、早急に実用化することになった。
そして同協会が主体となって半没水型双胴船型の開発をすすめ、52年、実験船「マリンエース」を完成、実験研究・海上での実験により、半没水型双胴船型は海洋開発船舶に適した船型であることが確認された。さらに研究がすすめられ、55年、わが国において世界で初めての実用化第一船「めいさ80」が完成された。同船はその後船名を「シーガル」と変えて、熱海一大島航路に就航している。
この半没水型双胴船は在来型双胴船や単胴船に比べ、横揺れ、縦揺れ、上下揺れ、これらの加速度が小さく、波浪中での速力低下が少なく、高速性能に優れ、復原性に富み、安定性能に優れており、また構造上小さなトン数でも十分広い甲板スペースが確保でき、広い甲板上で各種の作業が可能であったことから、これらの点が評価されてその後、海洋調査船として建造された。
この半没水型双胴船の研究開発は、本会の補助により実施され、大きな成果をあげた。

実験船「マリンエース」


実用化第一船「めいさ80」

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