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(昭和37年度下半期〜45年度)
第4節 豊かな社会をめざして
3.安全で快適な社会づくり 交通安全教育
モータリゼーションの急進展に伴う道路交通事情の悪化を背景に、昭和33年4月、衆議院地方行政委員会で「交通事故の防止に関する決議」が行われ、そのなかで「交通安全協会の刷新強化」が取り上げられた。この決議の趣旨に応え36年1月、従来の日本交通安全協会を発展的に解消し、(財)全日本交通安全協会が設立された。以来、同協会はその目的を達成するため、交通安全国民総ぐるみ運動の展開、交通安全対策の調査研究、交通安全対策の推進、交通事故被害者対策の推進、諸外国との情報交換など幅広い活動をすすめてきた。
本会は42年度から10年間にわたり、同協会に資金補助を行い、これらの資金は、移動交通安全教室の開催、交通安全広報車の整備、交通安全映画の制作および映写機・スライド映写機の配布、高齢運転者対策としてのシルバーマークの作成・配布等に活用された。
このうち移動交通安全教室は、全国の交通安全協会が管内の小中学校を順次巡回し、輸送車、ゴーカート、自転車、信号機、交通標識などを教材にして交通安全教育を行うもので、交通安全思想の普及と交通事故の防止に寄与した。
交通安全映画(16ミリ)は映写機・スライド映写機等とともに全国の交通安全協会に配布され、春秋の全国交通安全運動の際に活用されるほか、年間を通して実施される運転手講習会やその他各種の催し物にも利用された。また、42年に(財)東京交通安全協会が本会の補助により制作した『輪禍』は、交通事故の原因を事例を中心に科学的に究明し、自動車運転時の危険なポイントを指摘しながら、多くのドライバーたちに安全運転への道と生命の貴さを訴えるもので、大きな反響を呼んだ。
移動交通安全教室の機材


小学校校庭での移動交通安全教室

「船舶振興会報」での映画「輪禍」の紹介記事
(昭和42年6月第16号)

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