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(昭和37年度下半期〜45年度)
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第3節 造船業への援助
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3.技術革新と造船所の合理化 船体の構造計算法の精密化に関する研究
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昭和44年、千葉県野島崎沖で起こった新鋭大型鉱石運搬船「ぼりばあ丸」の沈没事故を背景に、船舶の巨大化・専用化・高速化の進展と、設計・工作の合理化の促進に伴う船体の構造強度の迅速かつ精密な強化が要望されるようになった。そこで、運輸省、(社)日本造船研究協会、(社)日本造船工業会、(財日本海事協会、(社)日本船主協会、(社)日本中型造船工業会および本会の間で国家的プロジェクトとして「船体の構造計算方法の精密化」が協議され、45年度から5か年計画で(社)日本造船研究協会を通して実施されることが決定した。 従来の船体構造設計法は、船舶の大きさに応じて標準化した形状の波浪水圧を、船体全体または局部部材ごとに適用して解析する比較計算法を主な手法とし、あわせて長年の経験による構造基準を中心に発展してきた。 しかし本研究開発で実施した有限要素による構造解析法は、超大型電子計算機を数時間使用し、しかもそのインプットトデータを作成するのに多くの人手と巨額の経費を要する解析法であった。したがって解析の目的に適した精度を最短時間に得られること、インプットに必要な人手を実用的な規模におさめることがこの方法の実用化の第一要件であり、かつデータの評価が信頼されることが必要であった。 本会は45年より、この「船体の構造計算方法の精密化に関する研究開発」に補助金を支出し、49年度を最終年度として終了したのであるが、大型鉱石運搬船に関する実船試験、実船搭載用波浪計に関する研究、波浪外力に関する水槽試験、船体構造強度に関する研究を実施し、数多くの信頼されるデータを幅広く研究し、有限要素法による船体構造解析プログラムを完成させたのである。本研究開発の実施によって船体構造計算法の精密化に関する諸問題が解明され、船体構造の合理的設計法の確立に画期的な効果をあげることができた。 |
有限要素法による船体構造解析例 |
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