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(昭和37年度下半期〜45年度)
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第3節 造船業への援助
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3.技術革新と造船所の合理化 造船所における省力化に関する調査研究
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わが国の造船業は、その年間進水量において、昭和43年度には世界の50%近くのシェアを占めるまでになった。しかしわが国経済の急速な成長によって、労働力は不足傾向をたどり、労働賃金は急速に上昇し年率10%を超え、人件費の増大は著しく経営を圧迫するようになった。特に造船業は労働集約的要素が強いだけに、将来造船業の安定的な発展をめざしていくためには、今後の造船業における工数低減を目的とした省力化(アンマンド化)、および労働力確保を目的とした作業環境改善のための抜本的な対策が急務となった。 この造船所のアンマンド化の研究開発については、42年暮から運輸省船舶局において検討されていたが、翌43年、造船大手8社の現場最高責任者を中心とした非公式懇談会(座長:船舶局長)が設けられ、討議がすすめられた。 しかし本格的研究開発に着手するためこれを発展的に解消し、44年春、本会、(社)日本造船工業会、(社)日本造船研究協会によって「造船所のアンマンド化の総合研究開発委員会」が発足した。 さらに造船所におけるアンマンド化に関する研究を業界が共同で実施する場として、44年から(社)日本造船研究協会が本会の補助事業として、総合システム、設計部門、船殼工作部門、艤装工作部門について実態把握、現状分析、問題点摘出のための調査研究を行った。既存の工場については従来の3分の2の工数に、また新設の工場については3分の1の工数に低減させることを目標として調査・研究を行った結果、自動枠組方式回転治具など省力化および作業環境改善の面において数多くの改善策が見出され、わが国の造船業の発展に大きく貢献するものがあった。 |
造船所省力化のロータスシステム |
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