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(昭和26年〜37年度上半期)
第4節 (財)日本船舶振興会設立の経緯
1.公営競技廃止論の再燃 
モーターボート競走は昭和26年に発足して以来、法律の目的である造船関係事業等の振興および地方財政の改善に多大の効果を収めてきたが、他の公営競技と同様射倖性を有しており、社会に及ぼす悪影響を考慮してこれを最小限度にとどめるため、政府は厳重な監督と行政指導により公正な運営に万全を期していた。
しかし、各地では騒擾事件が発生し、これをきっかけにマスコミにおいて公営競技廃止論が再燃し、世論は公営競技のあり方について厳しい批判を行った。
このような社会情勢を背景に、公営競技問題を検討するため、36年2月総理府に公営競技調査会(会長:長沼弘毅)を設けた。そして慎重に調査審議した結果、36年7月25日、同調査会は「公営競技に関する現行制度と今後の基本的方針について」を答申し、政府はこの答申の趣旨に沿い、モーターボート競走の存続を認めたうえで、少なくとも現状以上にこれを奨励することをせず、その弊害をできる限り除去することをもって基本方針とし、この線に沿ってモーターボート競走法の改正を提案した。

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