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(昭和26年〜37年度上半期)
第1節 モーターボート競走法の成立
2.モーターボート競走法の制定 
「自転車競技法」が国会で審議されていたころ、A級戦犯容疑者として巣鴨プリズンに勾留されていた笹川良一は、モーターボートの記事をアメリカの雑誌『ライフ』で読み、「海国日本を復興し、併せて地方財政の窮乏を救うには、公営競技としてモーターボート競走を実施し、その収益金を財源とするのが最もふさわしい」という考えに至った。
 笹川良一は一命を捧げる覚悟で自らすすんで巣鴨プリズンに収容されたが、満3年と12日の歳月をかけて行われた調査と裁判により、戦犯の容疑は晴れ、無罪放免となった。思いもかけぬ生還であった。笹川良一は入所中に得た考えに基づいて、モーターボート競走を公営競技として実現するため、モーターボート競走に関心を寄せる人々と協力して「モーターボート競走法案」を作成、運輸省に協力を求めた。この法案は議員提案の法案として、国会に提出されることになるのであるが、この趣旨に深く共感した運輸省は、法案作成に総力をあげて取り組んだ。そして昭和26年の第10国会に提出、法案は3月29日衆議院運輸委員会、同本会議で可決され、その後6月2日の参議院運輸委員会で可決されたが、同本会議では社会党の反対にあい否決された。
 しかしながら笹川良一は最後まで望みを捨てず、法案成立のため必死の努力をつづけた。この努力が実を結び、26年6月5日、第10国会の最終日に衆議院本会議で再審議され、可決となり、6月18日制定公布された。
 このような経過で公布施行されたモーターボート競走法のねらいとするところは、モーターボート製造関係諸工業の振興と輸出振興であったが、これらの事業を振興するために、モーターボート競走の施行者は売上金の3%を国庫に納付することになった。

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