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 世界観光機関(UNWTO)は、ツーリズムの政策および問題に対して世界的な公開討論の場として任務を果たす国連の専門機関であり、150の加盟国と公共部門および民間部門からの300以上の準加盟員(7の準加盟地域も含む)をメンバーとしている。UNWTOの使命は、国際平和と国際理解、経済発展、国際貿易を進展する重要な手段として、ツーリズムを促進し、発展させることである。
 
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国際観光概観
WORLD TOURISM ORGANIZATION (UNWTO)
2005年国際観光概観
1. 概要
 テロ行為、自然災害、健康への脅威、原油価格の高騰、為替レートの変動、不安定な政治経済状況。これらは2005年に観光産業が直面した問題のほんの一部に過ぎない。にもかかわらず、全世界の国際観光客到着数は、大方の予想を裏切り8億人を超え、史上最高数を記録した。到着者数は4,200万人の増加となり、その内訳はヨーロッパ1,700万人超、アジア・太平洋地域1,100万人、米州800万人、アフリカと中東各300万人であった。2005年の増加率は全世界で5.5%であったが、それは2004年に達成した大幅成長(10%増)に加えての成長であったという点を忘れてはならない。2005年の国際観光の伸びは緩やかなものではあったが、それでも長期平均年間成長率4.1%を1.5ポイント近くも上回るものであった。
 
 地域別実績では、アフリカが昨年、到着者数において過去最大の伸び(9%増)を記録した。次いでアジア・太平洋地域(8%増)、中東(8%増)、米州(6%増)、ヨーロツパ(4%増)が続く。2005年の伸び率は、緩やかなものではあったが、2000年以降の過去5年間の平均年間成長率を見ると、中東が最高で10%、アジア・太平洋地域7%、アフリカ5%、ヨーロッパ2%、米州1%未満であり、年間成長率の世界平均は3%をやや上回る数値となっている。北アメリカは、この5年間の国際到着者数の年間増加率がマイナスとなった唯一の小地域区分となった(0.3%減)。
 
インバウンド・ツーリズム、1990-2005
出典:世界観光機関(UNWTO)
 
月別インバウンド・ツーリズム 国際観光客到着数(100万人)
出典:世界観光機関(UNWTO)
 
*: 暫定の図表もしくは数値 −:不明(未確定)の図表もしくは数値
国際観光客到着数 シリーズ欄 TF: 国境での国際観光客到着数(日帰り旅行客を除く) VF: 国境での国際旅行客到着数(1泊以上宿泊する観光客と日帰り旅行客を含む) THS: ホテルおよび同様の施設での国際観光客到着数 TCE: 集合的観光施設での国際観光客到着数
 
2. 国際観光客到着数
(拡大画面:216KB)
出典:世界観光機関(UNWTO)
(UNWTOが2006年までに収集したデータ)
 
 2005年の国際観光客到着数の大多数(50%)はレジャー、レクリエーション及び休暇目的であり、その数は合計4億200万人に達する。ビジネス旅行は全体の約16%を占め(1億2,500万人)、その他26%(2億1,200万人)は友人・親族訪問(VFR)、宗教的目的・巡礼、健康管理などを目的とした旅行であった。残り8%の旅行目的は不明である。
 
 2005年の国際観光客の約半数は道路(43%)または鉄道(5%)等、目的地までの旅程に陸路を用いた。空路は45%、水路は7%であった。この2年間、陸路・水路に比して、空路が急速に伸びている。
 
渡航目的別インバウンド・ツーリズム2005(シェア)
出典:世界観光機関(UNWTO)
 
交通手段別インバウンド・ツーリズム2005(シェア)
出典:世界観光機関(UNWTO)


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