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(2)在宅における服薬管理と副作用
−QOLと抗精神病薬の視点から−
□精神障害者のQOL
□抗精神病薬の副作用
□非定型抗精神病薬と肥満
□NIDSと陰性症状
□統合失調症の認知障害と服薬管理(指導)
 
生物・心理・社会的アプローチ
bio-psycho-social
 
精神障害者のQOL
QOL(Quality of Life)とは・・・
■QOLへの関心の出現
□「医学界の世界や福祉の世界よりも産業界で初めて1960年代に生まれた言葉ではないでしょうか」
□第二次世界大戦後の工業化と公害、そこから1968年にローマ会議でQuality of Lifeという言葉が使われた
□医学や福祉のなかに入ってきたのは1980年代になってから
■保健、医療、看護領域でのQOL
□1967年英国ロンドンで聖クリストファーホスピスが創設され末期ガンの方の命の質について検討がなされた
□QOLの考え方は、ガン末期の患者の余生をなるべく豊かにするという思いで営まれるホスピスにおいて、まず浮き彫りにされたことはきわめて自然なことである
■QOLの広がりと理論化
□慢性疾患の多発をみている
□医学の進歩により臓器移植などの生命を延ばす、様々な方法が出てきているなかで、その適用、限界、利用における基準などの問題が浮かび上がってきている
□医療コストの問題
□ヘルス・システムへの重大な批判
(日野原)
 
患者が考えるQuality of Lifeとはなにか
1. 私は、はっきりと思考する能力を保ちたい
2. 私は、安全でかつ心配のない状態でいたい
3. 私は、不必要な痛みや苦しみを避けたい
4. 私は、大切に扱われたい
5. 私は、話す能力がなくなっても人間としての尊厳をもって扱ってほしい
6. 私は、家族に不必要な重荷になりたくない
7. 私は、家族と好ましい絆を保っていたい
8. 私は、死ぬ前に愛する人と一緒にいたい
9. 私は、自分のことは自分で決めたい
10. 私は、死ぬときに苦しみたくない
11. 私は、愛する人に私について好ましい思い出を残したい
12. 私は、自分の宗教や伝統に基づいて取り扱ってもらいたい
13. 私は、死んだ後の私の身体について大切に扱ってほしい
14. 私は、医学教育や研究に何らかの貢献をすることによってお役に立ちたい
ドウカス(Doukas,D.)
文献:Doukas,D. et al. Clinical Aspect of Aging. Ed. By Reichol W. Wilkins, Baltimore, 1989, 615.
 
精神疾患におけるQOLとは
QOLに関する4つの基本的ニーズ
■人間の生物的構造により生じる全てのニーズ、すなわち食物、水、空気、自然の脅威から逃れるための住居、性的行動などから成る生理的ニーズ
■他者との感情的なつながりを持つニーズ
■社会に受け容れられるニーズ
■達成と意味づけのニーズ
 
主観的QOLの重要性
QOLの仲介モデル
 
精神疾患におけるQOL
■患者学としての、べてるの家「当事者研究」
■「説明と同意」から「理解と選択」へ
 
抗精神病薬の副作用
副作用て・・・どのくらいあるの
■使用上の注意から予測できないものも含めると副作用の数は・・・
 
錐体外路系副作用の主な症状
 
投薬誘発性運動障害(DSM-IV-TR)
Medication-Induced Movement Disorders
■ 332.1
神経遮断薬誘発性パーキンソニズム
Neuroleptic-Inducad Parkinsonism
■ 333.7
神経遮断薬誘発性急性ジストニア
Neuroleptic-Induced Acute Dystonia
■ 333.99
神経遮断薬誘発性急性アカシジア
Neuroleptic-Induced Acute Akathisia
■ 333.82
神経遮断薬誘発性遅発性ジスキネジア
Neuroleptic-Induced Tardive Dyskinesia
■ 333.92
神経遮断薬悪性症候群
Neuroleptic Malignant Syndrome
 


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