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回復過程
 
回複の過程をどうとらえるか
 
危機予防的看護についての看護者の基本的認識−患者について−
1. 危機のサインは患者の苦悩の表れであり、そこには何らかの理由や原因がある
2. 多くの患者は早期の介入によりコントロールを取り戻す事が出来る
3. 患者は危機の無い状況における看護師の姿勢や態度を見ている
4. 危機状態の予測がつく患者とつかない患者がいる
5. 隔離・拘束は患者にとって非常に辛い体験である
6. 患者は自分の状況を認識し、治療に主体的に参加することが出来る
7. 患者は危機状態における看護師の対応を覚えている
 
危機予防的看護についての看護者の基本的認識−看護師について−
1. 看護師自身にわきあがる感情が、看護に影響する
2. 看護師の危機のとらえ方が、看護に影響する
3. 看護師自身の安全感・安心感は看護の基盤である
 
私達に求められている医療の形
患者様中心の医療を提供すること
⇒[患者さまの自己責任による治療の提供]
 
患者様中心の医療を提供すること
⇒[患者様の擁護者としての看護師の責任によるケアの提供]
 
介助ではなく支援
 
とらえ方の転換
患者さまからの訴え ⇒ 患者さまの自己主張
介助 ⇒ 対話・症状観察
患者さまの管理 ⇒ 症状の管理
 
統合失調症 急性期対応
〜心理的介入〜
1. 興奮していることを状態像から具体的伝える。
2. 「身体的、精神的に疲弊している状態を心配している」ということを伝える。
3. 興奮している理由を問いかける。
4. 鎮静に協力できる事は何かを問いかける。
5. いつもより激しい興奮は、治療を必要とする精神状態であることを説明する。
6. 激しい興奮が続くことは、あなたの健康状態に悪いことを説明する。
7. 自分を傷つけてしまったり他人を傷つけてしまう恐れがあることを説明する。
8. そのために薬による精神的な安定が必要な事を説明する。
9. 薬剤の選択肢(錠剤、散剤、液剤、注射)の提案をする。
10. 薬の効果と副作用を説明する。
 
看護師が従来型抗精神病薬について過度の期待を抱きやすいが十分知っていること
1. 陽性症状に対する限界
2. 陰性症状に対する著しい限界
3. 抑うつ症状に対する著しい限界
4. 認知機能障害に対する著しい限界
5. EPSの多さ
6. 抗パ剤の必要性
7. その他の副作用の多いこと(抗コリン性作用etc)
8. コンプライアンスが悪いこと
9. QOLに対する著しい限界
Tsutsumi, Oct. 2001 Ongata Hospital改訂
 
非定型抗精神病薬の考え方
・薬物によって中枢神経を抑圧するものではない。
・脳の神経伝達のバランスを修正することによって症状を軽減する(取り除く)。
 
抗精神病薬の作用に対する考え方
ドーパミンを叩くという抑圧的な鎮静目的の使い方をする治療
調整という考え方
回復過程を支え伝えること
そこに現れる患者様の状態をケアする
[治癒過程の中に包括しケアする]


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