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III 海洋汚染防止研究会(HNSセミナー)
1 目的
 アセアン内の都市において、海岸線を有するアセアン各国の担当者を招聘し、開催国の海洋汚染防止担当部局と協力して我が国専門家等による海洋汚染防止研究会(HNSセミナー)を開催し、アセアン各国の海洋汚染防止に関する知識、情報の共有化を図ることを目的とする。
 
2 日程
平成18年11月13日(月)
10:00〜12:00 事前打ち合わせ
13:00〜17:00 OSPAR管理会合及びHNSセミナー準備
19:30〜21:00 マレーシア環境省主催夕食会
平成18年11月14日(火)
08:30〜17:00 第4回OSPAR管理会合(昼食休憩を含む)
21:00〜22:30 第4回OSPAR管理会合結果報告採択会議
平成18年11月15日(水)
10:00〜17:00 HNSセミナー事前準備
(アセアン各国からのOSPAR管理会合出席者はランカウイ島観光に参加)
平成18年11月16日(木)
08:45〜17:30 HNSセミナー(昼食休憩を含む)
07:30〜21:30 日海防主催夕食会
 
3 事前打ち合わせ
(1)日時・場所
日時:平成18年11月13日(月) 10:00〜12:00
場所:マレーシア・ランカウイ Holiday Villa Langkawi会議室
(2)出席者
マレーシア側:
マレーシア環境省ザイナル課長補佐、マレーシア環境省パリマラ環境管理担当官、マレーシア環境省キャロル環境管理担当官
日本側:
河野国際室長、国土交通省中橋環境・海洋課長補佐、喜志多所長代理、山口研究員
(3)概要
 OSPAR管理会合に関してはマレーシア環境省の主催であり、さらに日本側がオブザーバーという立場から、アセアン各国からの出席者の送迎、日本側の講演資料の確認及び費用負担の確認のみを行い、スケジュール等はマレーシア環境省に一任した。
 一方HNSセミナーに関しては、当日のスケジュール、座席の配置、背景幕、夕食会等も含め詳細な打ち合わせを行った。
 
4 海洋汚染防止研究会(HNSセミナー)
 平成18年11月16日、第四回OSPAR管理会合に引き続き、マレーシア・ランカウイにおいて、日本海難防止協会とマレーシア環境省の共催によりHNSに関するセミナーを開催した。
 このセミナーは、フィリピンにて開催された第三回OSPAR管理会合にて日本から提案された、日本(官・民)による海洋汚染防止分野のアセアン支援事業の一環として、日本財団の支援を受けて開催したものである。
 HNSについては、2000年3月にIMOにて採択された「2000年の危険物質及び有害物質による汚染事件に対する準備、対応及び協力に関する議定書」(OPRC-HNS議定書)に「油以外の物質であって、その海洋環境への流出が人体に危害を及ぼし、生物資源及び海洋生物を害し、環境に損害を与え、または他の海洋の正当な使用を妨げる可能性のあるもの」とのみ定義されており、具体的な物質については条約締約国の実状かつ必要性に応じて定めることができることとなっている。
 上記のとおり、HNS自体非常に漠然とした広い概念のものであり、加えて今回のセミナーは、主催者である日本海難防止協会及びマレーシア環境省の双方にとって初めてのHNSセミナーということで、計画の段階から1日という限られた時間の中に動画等も取り入れ、HNS実務者及び防除作業の監督者にとってわかりやすく、メッセージ性の高い題材を取り入れるよう、講義の内容は何度も検討が行われた。
 また、日本とマレーシアの共催のセミナーではあるものの、アセアン内における関係強化の意味からも、この分野においてアセアンの先進国であるシンガポールからも是非講師を招聘すべきとの日本側からの意見が受け入れられ、シンガポール海事港湾庁からも講師の派遣及び講演が行われた。
 主なセミナー概要は下記のとおり。
(1)日時・場所
日時:平成18年11月16日(木) 08:45〜17:30
場所:マレーシア・ランカウイ Holiday Villa Langkawiボールルーム
(2)参加者
 本事業にてアセアン各国よりそれぞれ2名ずつ招聘した担当者、マレーシア環境省を中心とした民間企業も含むマレーシア各関係機関及び日本関係者を含む約100名が参加した。
アセアン出席国
・ブルネイ(通信省海事局)
・カンボジア(公共事業運輸省運輸総局)
・インドネシア(環境省、海運総局)
・マレーシア(環境省、海事局他)
・ミャンマー(海事局)
・フィリピン(海洋環境保護局)
・シンガポール(海事港湾庁)
・タイ(運輸省、海事局)
・ベトナム(海運総局)
(3)セミナー概要
 セミナー開催に先立ち日本財団海洋グループ中村真美子担当リーダーより開会の挨拶があり、それに引き続き、マレーシア環境省、我が国専門家、シンガポール海事港湾庁及びマレーシア海事研究所の講師等により講義があり、午前及び午後の最後に質疑応答が行われた。
(1)講義内容
イ マレーシア環境省次長(基調講演)
Lee Heng Keng氏「マレーシアにおける海洋環境保護の概要」
ロ 我が国専門家
A キソー化学工業代表取締役
児玉正浩氏「HNS流出事故における対応者の安全」
B 海上災害防止センター防災訓練所主任教官代理
中崎興二氏「HNS海上流出時の対応」
C 海上保安庁機動防除隊副隊長
保坂和彦氏「機動防除隊のHNS海難対応事例とその教訓」
ハ シンガポール海事港湾庁管理官
Lim Khok Cheng氏「シンガポールのケミカル物質に対する緊急時計画(海上)」
ニ マレーシア海事研究所研究員
Sae Juan Ling氏「OPRC-HNS議定書について」
 
セミナー会場風景
 
日本財団
中村リーダー
 
マレーシア環境省
Lee Heng Keng次長


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