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(6)男性従業員の育児休業について
 男性従業員の育児休業については、2001(平成13)年4月以降、対象者5名に対し、利用者2名となっている。当初は、子どもが生まれて、一番お金がかかる時に育児休業給付金が4割では経済的に厳しいため取得が進んでいなかった。しかし、秋田県が、男性の育児休業促進事業として、育児休業を取得した従業員に対し5万円の支給を行う制度を開始し、20日間の休業であれば、育児休業給付金と当該5万円の支給により月当たりの収入をほとんど減らさずに済むようになったことから、2005(平成17)年に、初めて2名が各20日間の育児休業を取得した。
 男性従業員の育児休業取得のメリットとしては、
・業務を見直す機会(20日間の休業でも、きちんとした引継を行う必要があり、その際にその従業員の業務を見直す良い機会となる)
・若手の人材育成のチャンス(チームリーダー的な従業員が育児休業を取得した場合には、その下の従業員がその役割を休業中に経験できる)
・管理職になるための経験(育児休業を取得した従業員が復帰後に、子育てに関する話題で女性従業員とのコミュケーションが促進され、仕事上のコミュケーションでも好影響を及ぼしている)
・効率的に仕事をするようになる(育児休業後も育児に携わりたいという意向から、残業を減らし効率的に仕事を行うべく自発的に努力する)
・安定した家庭をつくる第一歩(育児期にきちんと子どもと接することができた人は、安定した家庭をつくることができ、それが将来会社に好影響を与えるのではないかと期待している)
が挙げられる。
 
(7)次世代育成支援推進法に基づく行動計画
(1)目的
 社員が仕事と子育てを両立させることができ、社員全員が働きやすい環境をつくることによって、全ての社員がその能力を十分に発揮できるようにする。
 
(2)計画期間
2005(平成17)年4月1日から
2007(平成19)年3月31日
※4月の認定マーク取得に向け努力中。
 
(3)内容
<目標1>計画期間内に、育児休業の取得状況を次の水準以上にする。
(対象期間内に該当者がいない場合開始前の3年間を含む)
男性社員・・・取得率20%以上とすること
女性社員・・・取得率100%とすること
(対策)
平成17年4月 育児休業対象者がでた時点で、育児休業推進チームを設置し、業務内容、業務体制の見直しや代替要員の確保など育児休業を取得しやすい環境作りを行う。
平成17年度〜 育児休業対象者に対し、取得事例を交えた講習会を行う
 
<目標2>平成17年7月までに看護休暇制度を充実させる。
看護休暇制度・・・現行の小学校就学前までの子に対する制度の範囲を広げ高校卒業前までとする
(対策)
平成17年4月〜 労働者の具体的ニーズの調査
平成17年6月迄 日数など制度の詳細に関する検討
平成17年7月〜 回覧、掲示板を活用した周知、制度の実施
 
<目標3>計画期間内に、有給休暇の取得状況を次の水準以上にする。
取得率・・・60%
(対策)
平成17年4月〜 回覧、掲示板を活用した目標及び取得率の周知、従業員への有給休暇使用日数及び残日数の連絡
 
<目標4>計画期間内に、事業所内託児所を地域の育児サークルに対し開放する。
(対策)
平成17年6月迄 地域育児サークルヘのニーズ調査
平成17年7月 事業所内託児所の開放
 
(8)その他
・仕事と子育ての両立支援導入のきっかけは、幹部社員である女性従業員が子育てのため退職しそうになったことから。その際、複数の女性従業員と個人面談を行ったところ、託児施設の整備等のニーズが多かったことから導入に踏み切った。
・有給休暇の取得推進策として、社内回覧により、子どもの行事やPTA活動への積極的な参加のために有給休暇の取得を活用すべく働きかけている。
・当社が看護休暇制度を設けているのは、「子どもの病気で会社を休むのは正しいこと」とのメッセージを会社が発信するため。事業所内託児施設では病児保育は行えないこととなっている他、子どもの病気の際は、親が休んでそばについてあげるのが良いと考えている。
・行動計画策定、認定マーク取得のインセンティブとしては、認定マークの知名度が上がれば、取得企業のイメージも向上し、製品販売上好影響を及ぼすのではないか、という経営戦略上の観点もある。
・他の企業で当社のような取組がなかなか進まない要因としては、経営者の世代の違いや、仕事と子育ての両立支援にかかるコストばかりに目が行き、従業員のモチベーション向上といった数字に表せないメリットとの比較考量が難しいからではないか。


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