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地方分権時代にふさわしい地方税制のあり方に関する調査研究報告書?諸外国の地方税制との比較を中心に?

 事業名 地方自治情報啓発研究
 団体名 自治総合センター 注目度注目度5


II 徳島県における税務行政の現状・課題及び取組
 徳島県の平成17年度地方税収入は780億円程度である。バブル期である平成3年度税収(742億円程度)と比較すると105.2%となっており、全国平均の94.1%に比べても相当高い比率となっている。これは、特に法人事業税におけるH17税収/H3税収の比率が99.2%と高い(全国平均は72.5%、徳島県の比率は全国一位)ことによるものであるが、これは火力発電所の稼働や県内大手企業の特殊事情に負うところが大きい。したがって、今後については、税収の伸びに大きく期待できない状況にある。
 一方、徳島県では、平成16年度に財政改革基本方針を策定し、ゼロベースからの歳入歳出の見直しを行っているが、その中で、徳島県滞納整理機構(後述)発足による税収の確保など歳入確保対策が重要な柱となっている。
 以上のような状況を踏まえ、県税務行政においては、徴収対策を強力に推進することとしている。
 
1 平成18年度県税事務運営方針
 税務事務運営の基本方針として、「信頼される税務行政の執行」「的確な課税事務の運営」「自主納税体制の確立と厳正な滞納整理」「効率的な事務運営」を掲げ、徴収対策に関しては、具体的には以下の項目に取り組むこととされている。
○「滞納繰越分整理強調月間」の設定
○個人県民税の徴収確保対策の促進
・徳島滞納整理機構に対する側面支援
・県税務職員の市町村への派遣制度の活用
・地方税法第48条に規定する徴収引継制度の活用
○自動車税、不動産取得税の滞納整理
○大口事案への早期着手
 
2 「徳島滞納整理機構」の概要
 徳島県市町村総合事務組合(もともと市町村職員の退職金組合だったもの)を母体として、平成18年4月1日に発足。県内の全市町村が参加している。具体の業務内容は、以下のとおり。
 
○共同処理業務
・市町村税(個人県民税を含む。)の滞納整理(滞納繰越分)
・不動産の公売
・「滞納処分の執行停止」「不納欠損処分」の適否判定
・滞納整理に関する研修の実施
○処理件数
 平成18年の発足時には、24の全市町村から467件、804百万円が機構に移管
 税目別では、固定資産税・都市計画税が約6割、個人住民税が約2割
○執行体制
 職員9名に加え、弁護士等非常勤の顧問が3名。職員のうち、県派遣職員が2名、市町村派遣職員が4名
○効果等
 滞納整理組合への移管予告に伴うアナウンスメント効果で、965百万円程度の納付又は納付約束があった。
 また、実際に機構に移管された滞納税額について、H18.8月末で146百万円の徴収実績となっている。
 
3 県税務職員の市町村短期派遣制度の概要
 平成17年度より開始。初年度である17年度は、県内1市に対して、職員2名を延べ30日間派遣。
 派遣職員は、市町村職員と班を編制し、納税相談に応じるとともに、必要に応じて滞納処分を実施。17年度の場合、短期の派遣ではあったが、滞納繰越額のうち、件数で37.1%、税額で34.5%を収納。また、納付誓約や欠損処理も含め何らかの処理を行ったものは、件数で95.1%、税額で96.4%に及ぶ。
 県としては、市町村の滞納整理に直接資するとともに、市町村の徴税ノウハウ向上に寄与することから、18年度以降も継続して実施する予定。
 
4 今後の地方税制のあり方
 平成18年5月に公表した「徳島県の提言・要望」において、地方税関係では、以下を提言。
 
○基幹税である地方消費税の充実を基本として国から地方へ税源移譲を行い、税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた地方税体系を構築
 
 また、平成18年9月に公表した徳島県道州制等研究会の報告書では、道州制の下における税財政制度について、以下を提言。
○税財政面で地方が自主・自立するための新たな地方税財政制度として「基幹共同税」を創設。
○基幹共同税の原資は法人課税、個人所得課税、消費課税とし、市町村と協力のうえ、道州が一元的に徴収(国には、道州から国税相当額を納付)。
○基幹共同税は、国と地方の協議の場である「調整機関」及び地方間の財源格差を調整する「地方財政調整基金」を設け、(1)国と地方の役割分担、(2)基幹共同税以外の税収、(3)各団体の収税努力等を考慮して配分する。
 
III 香川県における税務行政の現状・課題及び取組
 香川県の平成18年度地方税収入見込額は1,134億円程度であり、歳入予算額の1/4を占めている。最近における県税収の推移をみると、H15年度の998億円を下限に、緩やかではあるが増収傾向にある。
 一方、県の税務執行体制をみると、税務職員の平均経験年数が全都道府県中2番目に短い(香川県3.4年、全国平均12.7年)状況にある。今後、税制度の適切公平な運用と県税収入の確保に向け、徴収対策の推進も含め、職員の専門性の向上を図ることが課題とされている。
 
1 県税事務所の執行体制
 県税事務所毎に徴収体制の相違がみられる。比較的小規模な県税事務所では、職員毎に地域を分担し、担当地域における財産調査から公売までを手がけている(個人・地域割型)。一方、大規模な県税事務所では、初動班(電話・文書催告、臨戸訪問、財産調査等)、滞納整理班(納税交渉、差押、公売等)、企画対策班(高額・困難案件、捜索等)に分かれ、機能別に役割分担がなされている(組織・段階型)。東京都や神奈川県など都市部の都道府県の県税事務所は、概ねこの組織・段階型をとっており、香川県においても、捜索を実施しているのは、このタイプの県税事務所である。
 今後、県では、この機能別の滞納整理体制を導入していきたいとしている。
 
 また、徴収対策強化の観点から、上記に加え、以下のような取組を行っている。
○高額、困難案件の処理を強化するため、警察官OB等の配置を行う。
○催告書について、1回目は黄色の封筒を使用し、2回目は赤い封筒を使用する。
○積極的な捜索の実施。
○インターネット公売の実施。
○納税環境整備の一環として、19年度よりコンビニ収納を実施予定。
 
2 「香川県滞納整理推進機構」の概要
 香川県の特色は、従前より各地区に滞納整理組合が存在していたことである。これら地区毎の滞納整理組合の存在は、全国的に先進ではあるが、一方で公売までの滞納整理に進めないなどの課題を抱えていた。
 「香川県滞納整理推進機構」の特色は、こうした県特有の事情を踏まえ、一部事務組合等の「組織」ではなく、県から全ての市町と滞納整理組合に職員を併任する形で体制の整備が図られている点にある(したがって、機構とはいいながら、形式上の組織、事務局等は存在しない。)。
 このメリットは、各市町の金銭的・人的負担が基本的に不要で、かつ機構への引継件数の多寡にかかわらず機動的・弾力的な対応が可能な点にある。
 
○業務内容
 個人住民税の滞納額が概ね50万円以上の高額案件を目安として案件を調整のうえ、市町等からの依頼に応じて、県の併任職員が市町職員、滞納整理組合職員とともに、下記の業務を行う。
・滞納整理に向けた財産調査
・納税交渉
・滞納処分
○取組状況
 平成17年度の実施団体は2市2町、県職員の併任期間はH17.4.1〜H18.3.31までの1年間であった。滞納整理実績は、従事案件408件、徴収済額144百万円、分納誓約額121百万円となっており、機構業務に携わった市町の滞納整理の状況をみても、滞納繰越に係る徴収額が2割以上増加している。また、機構は各市町、組合の公売支援を5回にわたり行っている。
 平成18年度は、17年度の実績を踏まえ、併任業務の実施団体を4市2町に拡大するとともに、インターネット公売6回、合同公売4回を実施予定である。
 
3 民間委託の推進や再任用職員等の活用状況
 
○インターネット公売
・H17.7月からH18.9月までに6回実施
○H19.5月より自動車税のコンビニ収納を実施予定
○県税事務所に県警OB職員を配置
○公売対象となる美術品等の鑑定業務を民間委託
○調査で収集した軽油の性状分析業務を民間委託
 
IV 善通寺市における税務行政の現状及び取組
 善通寺市では、行政改革の一環として、近年、市税等の徴収体制の見直しを行っている。主な取組は以下のとおりである。
■平成14年度 中讃広域行政事務組合の債権回収部門に過年度の滞納債権を移管
■平成15年度 現年度分についても、年度内に3回に分けて組合に移管
■平成16年度 地方税法第48条に基づく県による県市民税の直接徴収や県税事務所との共同催告等の実施
■平成17年度 市組織として債権管理局を設置。民間での債権回収経験者4名を嘱託職員として採用
■平成18年度 香川県滞納整理推進機構の県併任職員と債権回収を実施
 このような取組の成果として、現年度分の徴収率は、H14年度97.29%を底にH17年度には97.98%となっており、滞納繰越分に係る徴収率についても、H9年度6.07%を底に14.88%まで高まっている。
 
1 善通寺債権管理局について
 平成17年度に下記の3課体制で設置
■税務課
■債権管理第1課(市税の徴収)
■債権管理第2課(税外債権のうち徴収困難案件)
 債権管理第1課には、平成17年秋に、民間で長年債権回収を担当してきたものを嘱託職員として4名採用。その目的は、
■現年度対策の充実(原則、単年度整理)
■積極的な差押処分と換価の推進
■長期累積滞納者の計画的な整理
■分納履行の監視
■適切な執行停止処分
■財産調査や重点地域の臨戸等の徹底
 
 善通寺市においては、滞納整理事務を組合等に移管しているが、その回収能力(キャパシティー等)には限界があり、市自体の債権回収能力の向上が課題となっている。
 そこで、嘱託職員が、民間での債権回収の実務経験を活かし、滞納整理の調査、回収計画の検討を行い、その実施についても職員に助言、協力を行うこととしたもの。


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