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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


六 再発足及び経過過程
(1)住之江移転による再発足
 別項記載のとおり、住之江に新競艇場を設け苦境打開を策した。
 先ず、南海電鉄の協力を得て、三和・住友両銀行から資金五、九〇〇万円を調達し、同銀行の旧債を整理するとともに、残額三、四五〇万円は新競艇場の建設資金に充当した。
 移設工事投資総額は約七、三〇〇万円であったので、不足資金に対しては一時南海電鉄の協力を得ることとした。
 昭和三十一年六月十九日、住之江競艇場の竣工式を挙行するとともに大阪府都市競艇組合主催の下に、再起第一回レースを開幕。話し合いにより施行業務代行を解き、正常の姿で再出発した。また、食堂・売店は、直営を廃止した。
 再開第一回は、六日間一日平均入場者二、九二一人、舟券売上、同、五二〇万六、〇〇〇円で、狭山時代を約六五%上回る業績で、ようやく将来に希望を持つことが出来たのであった。
 さりながら、雑工事に加えるに突貫工事の連続であったため、移設した木造建物の基礎がゆるみ、雨の日には場内外一面は塵芥土のぬかるみと化し、天候の良い日には塵芥臭の強い砂ぼこりが吹きまくって、およそ大衆の健全娯楽場と称するには縁の遠い状況で、特に悪天候には、ぬかるみの場内に板を敷きつめて、ファンを迎えるという、情ない状態であった。しかしながら、狭山で多額の赤字を抱え苦汁を飲んだ身にとっては、ここに活路を見出し得、再開出来たことが勢一パイであり、感激であり、幸運と言わざるを得なかった。
 かくて、翌昭和三十二年三月末までの一日平均入場者は一、二九一人、舟券売上同四七八万七〇〇円を示した。
(2)騒音防止対策
 昭和三十一年九月、地元小中学校長並びにPTAを中心とする住之江競輪・競艇廃止運動協議会が発足、騒音による被害及び安全教育・風紀上の被害が具申され、競艇廃止懇請書が提出された。
 これに対し、当社では、昭和三十二年三月防音塀を設置したほか、消音モーターの開発採用などを、いち早く取り入れ、また、巡査派出所設置の請願、防犯灯の設置など、可能な対策をもってこれに応じた。
(3)施設の改善
 昭和三十一年十一月十三日、当時、南海電鉄常務取締役であった増田金一氏は、当社初代社長、故吉田卯之吉氏の後を受けて、社長に就任(兼務)。専務取締役は野田清太郎氏に代わり、岸本正氏が就任、駒沢十三雄氏が常務取締役に就任したのを機に、諸施設の増改築、補修等は、資力の許す限り実施する方針をとることになった。
 増田金一氏は、すでに会社設立当初、検査役として会社設立に参画し、以来狭山時代を通じ、苦境を支えた陰の推進者であり、岸本正氏はまた、狭山競艇場建設を請負った南海土木建築株式会社(南海電鉄傍系)の当時の専務であり、共に因縁浅からざるものがあった。
(4)その後の景況
 その後、舟券売上高は、徐々に上昇し、昭和三十五年十二月の箕面市主催の際は、一日平均入場者三、八三三人、舟券売上同一、二七八万一、三六七円を記録して、待望の一、〇〇〇万円を突破するに至った。
 また、昭和三十六年六月には、一日平均売上二、〇〇〇万円台を記録し、同月大阪府都市競艇組合主催における最終日の二十五日には、初めて、一日の売上高三、七二四万五〇〇円に及び全国一を記録するに至った。
(5)ビッグレース初開催
 かくて、昭和三十六年八月、待ちに待ったビッグレースである第八回全日本モーターボート選手権大会を、当競艇場で初開催するという栄誉を得た。
 そのため、当社は、設備面の改善に力を注ぎ、ボート・エンジンの全面的買換え等を行なって、準備に万全を期したことはいうまでもない。
 その結果、最終日において、一日舟券売上高四、二三八万四、七〇〇円を計上、またまた全国最高の記録を樹立した。
 以来、開催毎に入場人員及び舟券売上げは、増加の一途をたどり、全国一位の売上高を確保する競艇場となってきたのであるが、それに並行して、施設の改善には毎期多額の資金を投入して、面目を一新、ファンサービスの確立にも力を尽した。
(6)水藻繁茂によるレースの中止
 昭和三十七年五月十一日、プールの水藻が異状繁茂した結果、ついに、十一・十二日両日のレースを中止せざるを得なかった。
 適切な除藻方法がないまま、伝馬船十二隻、人夫一五〇人を動員して、昼夜兼行人海作戦によって、ようやく復旧したのであった。
(7)増資
 以後、昭和三十七年八月一日には、設備改善資金調達のため、増資を行ない、資本金三、〇〇〇万円を七、五〇〇万円とした。
(8)第二回ビッグレース開催
 昭和三十八年十月三十一日より六日間、大阪府都市競艇組合主催の下に、当競艇場として、第二回目のビッグレースである第十回全日本モーターボート選手権大会を実施、成功裡に終わった。
(9)中央投票所放火により焼失
 昭和三十九年七月十日未明、突如、中央第一投票所より出火して、これを全焼してしまった。この建物は狭山より移設したものであったが、一人の精神異常者が放火したものであって、三日間のレースが開催不能となり、大きな打撃を被った。
 しかしながら、関係筋のご協力の下に、全力をあげて復旧工事を行ない、日ならずして仮投票所二棟の建設を完了した。
 それに引き続き、正月レースに使用を目途として主審判台を鉄骨モルタル塗り五階建、同じく執行本部を三階建に、その他投票所二ヵ所等を新築することになり、昭和三十九年七月二十八日地鎮祭を挙行、十二月に竣工した。本部内には特別席を設け、全館冷暖房完備とした。これはまた明年度予定の全日本モーターボート選手権大会も考慮しての改築であった。
 以来、順調に経過し、昭和四十年六月箕面市主催下の住之江開設第九周年記念レース六日、日曜日には、一日入場人員一万九、四〇五人、一日舟券売上高一億〇、四五四万九、四〇〇円を計上、また昭和四十二年三月の第二回鳳凰賞記念レースには、一日入場人員二万五、一一〇人、一日舟券売上二億一、四一九万五、五〇〇円と、当競艇場の記録を更新して、めざましい上昇振りを見せるに至った。この間、昭和四十一年五月三十一日には、本社事務所の改築工事を竣工し、遂次施設の充実を計った。
(10)本格的スタンドへ
 当社は、昭和三十八年に、従来に比して倍の収容力あるスタンドに改造、投票所・払戻所等もできる限り拡張してきたのであったが、昭和三十七年度よりこの方一日平均入場者数の前年対比は、約二〇%の伸び率を示し、特に昭和四十一年九月開催の第十三回全日本モーターボート選手権大会においては、最高一日二万七、四三六人の入場者を見るに至り、定員一万六、一四一人、最大二万人収容のスタンドでは、満足な観戦も不可能であり、ひいては騒擾の誘因ともなりかねない状況となった。
 加うるに、昭和四十五年には、万国博が開催され、これに伴って大阪市地下鉄が当住之江まで延長される予定で、ファンの増加は必然と予測されるため、関係官庁初め施行者、競走会のご要望にも応えて本格的スタンドを建設することとなり、昭和四十三年一月八日関係筋を招いて盛大な起工式を挙行した。
 新スタンドの要目は、次のとおりである。
構造 鉄骨鉄筋コンクリート造り、重層式
四階建スタンド、南北二棟
総床面積 二七、三七八m2
建築面積  九、四八六m2
収容人員 約五〇、〇〇〇人
 定員二〇、六〇〇人
(第二特別席・七九四名を含む)
総工費(附帯工事費共)概算一六億円
(11)北新スタンド完成予定
 昭和四十三年一月八日起工式を挙行、同月十日より着工して、同年八月十四日竣工予定である。
 施設の概要は、次のとおりである。
総工費(付帯工事費共)
約六億五、〇〇〇万円
収容人員 約二五、〇〇〇人
 定員一〇、六〇〇人
構造
鉄筋コンクリート造四階建(スタンド重層式)
高さ  一九m八五
長さ 一一九m〇〇
幅   三六m四〇
総床面積一三、五五四m2
発売窓口数
一、〇〇〇円券・・・三六窓(一階)
二〇〇円券・・・六七窓(二階)
一〇〇円券・・・九四窓(三階)
払戻窓口数
二〇〇円券・・・二七窓(二階)
一〇〇円券・・・四五窓(四階)
湯茶接待所 二ヵ所(一・三階)
食堂・売店 四ヵ所( 〃 )
便所 男女各二ヵ所( 〃 )
救護室(一階)
ITV 場内各所に完備
BGM    〃
公衆電話 〃
(12)南新スタンド着工予定
 北新スタンドの完成に引き続き、同規模のものを、昭和四十三年十月一日南新スタンドとして着工予定し、翌年八月末日を以って、竣工予定である。
 
改造工事中の住之江・北新スタンド―昭和43年6月写す―


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