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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


四 河川敷地使用許可並びに水面漁業補償関係について
 昭和二十七年七月十七日付福井県知事小幡治郎殿より福井県指令河第四二三号により、三国町に昭和二十七年二月十一日付で申請の河川、堤防敷地占用(モーターボート競走場)および耕作物設置については、別紙命令書および条件を附して許可す。
一 許可坪数(河川堤防)六、六五一坪
一 許可期間
昭和二十七年八月から昭和三十七年三月三十一日
 なお昭和二十八年二月には、三国町農業協同組合長田中寿殿より、九頭竜川は毎年雨季には増水して敷地に浸入し堤外地耕作者は流水物によって作物の被害があるが、モーターボート競走の施設により一層洪水の際の流水を阻止して流失物を停滞することになり、作物に甚大なる被害を受けるので、流失物の除去について適当なる対策をして欲しいとの陳情書が出された。
 昭和二十八年三月二十七日に水面使用に関して、新保村漁業者との保障問題にての懇談会が開かれ、昭和二十八年四月九日には九頭竜川漁業協同組合と次の通り協定する。
協定書
 九頭竜川中部漁業協同組合及関係水面組合を甲とし、武生三国モーターボート競走施行組合を乙とし、両者間に於て九頭竜川河口におけるモーターボート施行は、将来魚族に及ぼす影響を双方考慮し、遡河性水族の増殖協力費及び実害補償について左の通り協定する。
一 乙が昭和二十八年四月十日より九頭竜川河口、別紙図面の個所において施行するモーターボートレースにつき乙は甲に対し遡河性水族の増殖費として金四拾五万円を支払うものとし、内金弐拾万円は四月中に残金は十一月中に甲に支払うものとする。
二 同事業施行による実害については、県水産課の調査資料に基き、十一月末に双方協議の上その補償金額を決定する。
昭和二十八年四月九日
甲 九頭竜川中部漁業協同組合
組合長 勝見 厚
乙 武生三国モーターボート施行組合
三国町長 光成 滋
立会人 福井県水産課
課長 宗石 実
 前述の如く協定されたが、競艇が開催されると内水面における漁獲高の減少を理由として福井地方裁判所に提訴されたるも、明確なる根拠もなく、裁判長は遂に和解を勧告され、昭和三十年春円満解決す。
昭和二十八年度補償費 金八拾五万円
〃 二十九年度補償費 金八拾五万円
〃 三十年度補償費  金五拾万円
〃 三十一年度補償費 金五拾万円
〃 三十二年以降毎年 金五拾万円
 
五 洪水関係について
 毎年六、七月の梅雨期並びに三、四月に於ける解雪期に大洪水に見舞われ、之がため場内盛土の流失、建築物、ピット、スリット等の破損、又流れくる塵埃が場内に堆積する等があり経営面に相当の苦労がありました。
当時の日誌の一節を抜萃
 昭和二十八年六月初旬より七月二十四日に至る全国的に亘る大雨の為、六、七日以来八回、艇庫は四尺〜六尺五寸投票所二尺〜四尺五寸の浸水を被り、競走場の埋立土砂の流失、被害では二百五十万円を下らない。福井測候所開設以来の雨量で北陸地方年間降雨量の約半分である。
 と記入されており、減水後の清掃、補修に全職員は努力した。このような洪水被害と売上金額がすくないので、次のような申請書が提出されております。
三国競艇組第一〇九号
昭和二十八年十月十七日
武生三国競艇施行組合
管理者 三国町長 光成 滋
運輸省船舶局長甘利一殿
国庫納付金減免及納期延期願
 台風十三号に基因する洪水並びに六、七月の大洪水により甚大なる災害を被り即ち六、七月の被害の復興途次、第十三号台風により被害程度も数倍化し復興に多大の日時と労力を要する状況であります。
 又本年四月第一回レース開催以来、十六回レース終了迄八十八日間の舟券売上高二〇〇、八八六、四〇〇円、一日平均二、二八三、〇〇〇円の売上にして、施設会社に対しエンジンボートの賞金の支払も不能の状態にて経営が甚しく苦境であり、モーターボート競走法の主旨が地方財政に寄与することも其の重要な一つである点を御高察の上、昭和二十八年会計年度競艇の国庫納付金の減免及び一年間の納付期限の延期方に就て特別の御処置を仰ぎたく何分の御配慮を御願いします。
 尚納期方法については昭和二十九年度に於て納付書の日時に相当する期日に納付することに御認め下されば幸に存じます。
 
六 昭和三十三年
 十一月四日臨時株主総会の議事録に「京都の市営競輪が廃止されました為、競艇も亦廃止されるのではないかとの声を聞くようになりましたが、競艇は目下の処今直ちに廃止される様なことはありませんが将来に関しては何とも明確には申されません。就てはこの際世のため人のためになるものを三国町に残したいと考え、児童、生徒の勉学の資料ともなればと水族館の建設を計画したのであります。何分大金を要しますので全国既設の水族館五ヵ所を視察研究した結果、充分採算がとれると思いますので、株主各位の御賛同を得られましたら直ちに工事に着手したいのであります」
 前述の件も株主の賛同を得まして、金三千三百万円の予算をもって建設にかかり昭和三十四年五月十六日に開館致しました。
 其の他昭和三十三年度においては、三国町港橋懸替工事費百六十万円余を三国町へ寄附しました。
 昭和三十四年九月の伊勢湾台風による被害は競艇開設以来の甚しいものでありました。
 
七 競艇運営権、ボート並びにエンジン譲渡について
 初開催より十年後の昭和三十八年には、固定した「ファン」層も出来、売上の成績も向上し安定した企業と言える今日では施設会社兼施行者という変則的な運営方法では監督官庁に対しても申し訳ない事であり且つ三国町よりの要請もありましたので、昭和三十八年五月一日より競艇の施行は、武生三国モーターボート施行組合で、施設は施設会社でと判然と区分し運営するようになりました。其の際三国町当局より競艇施行の運営を施行組合で運営し万一赤字となった場合、町費を以てそれを補うは町民に対して申し訳ないので「ボート」「エンジン」のオーナー権も同時に譲渡方懇請されたので、心よく譲渡し、爾来当社は売上金額の百分の三にて施設を貸与するのみにて、昭和四十三年七月新競艇場に移転するまで続きました。
 
八 競艇場移転について
 本競艇が、国会で恒久立法に改正されますと共に、中央に於て「モーターボート競走場施設改善調査会」が運輸省令によって設立されまして競走場の諸施設に対し、あらゆる面より施設の調査検討が行なわれ指示指導されておりましたが、現競走場は九頭竜川河口の河川敷地に建設されておる為、施設の改善、其の他子供の遊び場等の設備は法規上施行不可能であり、又当時九頭竜川は二級河川でありましたが、昭和四十一年四月に一級河川に昇格と共に、建設省より本競走場の撤去移転を指示されており、遂に三国町と芦原町の両町にまたがる池上、舟津地区に移転することに決定しました。
昭和四十二年三月十四日
移転に関する公聴会開催
昭和四十二年四月二十日(三競施第十号)
競走場移転許可申請書を運輸大臣宛提出
昭和四十二年十月三十日(舶監第七八一号)
競走場移転が許可された
昭和四十二年十一月十日
新競走場の工事着手
昭和四十三年六月二十八日
新競走場の工事完成
昭和四十三年七月二、三日
新競走場の監督官庁の竣工検査
昭和四十三年七月三日
新競走場の使用許可証下附
本競走場の総工事費は七億五千万円余
 なお、十五年間使用しました競走場は、昭和四十三年六月十八日を最後のレースとして、昭和四十三年六月三十日を以て競走場使用廃止届を提出しました。新競走場は昭和四十三年七月九日より使用し今日に至っております。


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