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資料3 中央区立教育委員会主催 「平成17年度第5回小学校理科研修会」
 
1. ホームページ公開(活動実績 教員研修)
 
沖ノ鳥島の自然 〜沖ノ鳥島をとおした教育ネタの検討〜
中央区教育委員会主催
「平成17年度 第5回 小学校理科研修会」
 2005年8月25日(木)「平成17年度 第5回 小学校理科研修会」が中央区立明石小学校で開催されました。研修会では、中央区教育委員会からお招きを受けた当財団研究員の福島朋彦が講演致しましたので、同行した日野明日香がその様子を報告致します。
 
■概要
 本研修は、毎年8月に実施される中央区教育委員会の定期行事の一つですが、当財団がお手伝いさせていただくのは昨年に続いて2度目です。昨年は葛西臨海公園に出かけて生物観察、塩分濃度、溶存酸素濃度の計測、さらに水族園の会議室をお借りして、子供たちに残したい自然のあり方について意見交換を行いました。今年は、久松小学校の杉本先生のご要望にお応えして、最近話題の沖ノ鳥島を学校教育で取り上げるための方法を探すべく、「沖ノ鳥島の自然〜沖ノ鳥島をとおした教育ネタの検討〜」というタイトルの講演としました。
 
■詳細
 講演の目的は、1)沖ノ鳥島に関連するトピックスを紹介すること、2)教育現場での活用方法を示すこと、そして3)子供たちの世代に残すべき社会のあり方に関する意見交換をすることでした。
 
1)沖ノ鳥島に関連するトピックスの紹介
 
明石小学校 今野副校長による講師紹介
 
 最近話題の沖ノ鳥島ですから、関連するトピックスも満載です。地理、歴史、自然、地球環境との関連、資源や経済の問題、あるいは政治や法律の問題など、大人も興味をそそられるような映像や写真を使ったバラエティ豊かなトピックスの紹介がありました。
 
2)教育現場での活用方法
 
講演の様子
 
 講演で紹介したトピックスはどの授業で利用できるか、どんな特徴を強調すると子供たちの注意を惹くことができるかなど、教育現場での活用方法についての、講師なりの試案が示されました。
 
3)子供たちの世代に残すべき社会のあり方
 
参加者の様子
 
 沖ノ鳥島が話題にのぼるようになったのは最近のことです。その理由は、領土や排他的経済水域の問題、それに端を発した資源や防衛の問題が国際情勢の中で複雑に絡み合うようになったからとの説明がありました。確かに困難な問題ばかりですが、現世代の責任として困難に前向きに取り組み、次の世代により良い社会を残さなければならないことが強調されました。この部分の講師の言葉を紹介します。
 
 “私たちは次世代にたくさんの借金を押し付けることになりそうです(私たちも押し付けられている世代ですが・・・)、だから資源開発の道筋ぐらいは残してやりたいと思います。その一方で、私たちやその前の世代は、多くの環境破壊を繰り返し、次世代に残せる貴重な自然を限定的なものとしてしまいました。海洋環境もそのひとつだとすれば、手付かずの自然をとして残すことも大切なことだと思います。
 
 分かりやすく簡潔な言葉が求められるこの頃ですが、将来のあり方については何が正しく、何が正しくないなんて、そんなに簡単に結論付けられるものではありません。資源開発と環境保全も、一見矛盾するアプローチですが、次世代のことを思いやる気持ちには変わりありません。刹那的に流されずに、知恵を絞ろうとすることが大切なのではないでしょうか?”
 
 当日は生憎の大雨にもかかわらず、9小学校14名の教員の方々にご参加いただきました。最後は参加者からもいろいろな意見が寄せられて、私たちにも大いに勉強になる研修でした。沖ノ鳥島が、政治や経済の世界にとどまらず、教育の世界でも活用されることを願います。お疲れさまでした。
 
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