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大森学園高等学校(おおもりがくえんこうとうがっこう)
「空飛ぶ(そらとぶ)車(くるま)いす」グループ
東京都大田区
 
 日本で廃棄される車いすを再生し、必要とするアジアの国々の人々に贈る「空飛ぶ車いす」活動に参加し、多数の車いすを送り届けた。また相手国を訪れ贈与した車いすの活躍を確認しメンテナンスを行うなど国際交流の活動も続けられている。
(推薦者:(財)日本社会福祉弘済会)
 
Omori-Gakuen High School "Soratobu Kurumaisu" Group
Tokyo Prefecture
 
 Participating in the activity called "Soratobu Kurumaisu," this group at Omori-Gakuen High School has restored wheelchairs discarded in Japan to send to handicapped people in Asian countries. Having now restored and sent approximately 210 wheelchairs, members of the Group are sometimes visiting the countries where the wheelchairs have been sent, confirming their performance and conducting maintenance.
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 大森学園高校の生徒は平成9年から特別養護老人ホームで車いすの清掃活動を行ってきた。授業のない土曜日に施設を訪問し、約100台の車いすを対象に清掃や修理を行っている。更に同校は、日本社会福祉弘済会の呼びかけに応じて「空飛ぶ車いす」活動に参加している。この活動は、日本で廃棄される車いすを工業高校生のボランティアの手で再生し、手荷物として航空機でアジアの国々へ運び、ボランティアの手を経て現地の障害者などに贈る活動である。
 大森学園高校では、原則土曜日に約10〜15名の生徒がこの活動を行っている。集められた多種多様の中古の車いすを分解し、丁寧に磨いて汚れや錆びを落とし、壊れた部分の部品交換などの修理を行い組み立てた後、3年生が最終確認を行う。また地域の小中学生や保護者、他校の生徒も参加して交流会や合同修理会などを開催し、活動についての理解を深めている。
 「自分たちの再生した車椅子は、アジアの国々で今どうなっているのだろう」という素朴な疑問から、2年生の希望者が夏休みに贈り先の一つである韓国の施設を訪問し、寄贈した車いすが現地で立派に役立っている様子を確認した。また修理の要望に応えて現地で多くの車いすのメンテナンスも行った。
 2004年12月のスマトラ沖地震で津波被災国のスリランカヘ「空飛ぶ車いす」活動に参加する工業高校生たちが贈った車いす139台のうち40台は大森学園高校寄贈のものである。贈呈式に出席した日本の関係者11名のうち同校生徒2名は唯一の高校生出席者だった。2人は輸送中に何らかの原因で整備、点検が必要となった車いすを翌日の贈呈式に間に合わせるため、関係者と協力して猛暑の中夜までかかって修理するという貴重な経験も得た。
 
新堀 善紀氏  佐々木 麻厘氏
受賞の言葉
 「自分の力でできること」を考え楽しく活動しています。
 この活動を多くの方々から高く評価して頂き、とてもうれしく思っています。
 表彰式で多くの皆さんと交流できたこともとても有意義でした。
 これからもどうぞよろしくお願いいたします。
 
車椅子の修復作業
 
 


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