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山本 慎二(やまもと しんじ)
(昭25.1.12生)静岡県静岡市
鈴木 康弘(すずき やすひろ)
(昭29.2.1生)静岡県静岡市
 
 静岡市内を帰社途中、3階建てアパート1階の一室から煙が吹き出ているのを発見し、直ちに駆けつけ、乗っていた高圧洗浄車で消火活動を行うと共に間一髪のところで男児の尊い命を救った。
(推薦者:全国消防長会 会長 関口 和重/静岡市消防防災局)
 
Mr. Shinji Yamamoto
(Born on January 12, 1950)
Shizuoka Prefecture
 
Mr. Yasuhiro Suzuki
(Born on February 1, 1954)
Shizuoka Prefecture
 
 Returning to the office at the end of work, Mr. Yamamoto and Mr. Suzuki spotted smoke billowing from the 1st floor apartment of a 3-storey building. Moving quickly, they used their high-pressure washing truck to extinguish the flames, and saved the life of a young boy just in the nick of time.
Recommended by Firechiefs' Association of Japan & Shizuoka Fire-fighting Disaster Prevention Bureau
 
 平成17年3月17日午前11時頃、仕事を終え車で会社に戻る途中、山本さんと鈴木さんは、静岡市内城北二丁目において、3階建てアパートの1階の窓から煙が吹き出ているのを発見した。
 1階の玄関口から中を覗くと、黒煙と熱気で室内の状況は全く判らず、入ることはとても不可能であった。そこで、自分達が乗っていた高圧洗浄車(配管洗浄をするための車で400リットルの水タンクを積載し、火災発見時は200リットル位が残っていた)からホースを延ばし、鈴木さんが高圧洗浄装置を操作し、山本さんは玄関から放水する消火活動を行った。下の方から少し様子を覗える状態になったため、姿勢を低くして放水をしながら室内へ入っていった。入ってすぐの部屋の中央辺りで、何かが激しく燃えており、炎は天井まで上がっていたため、更にホースで放水して消火を行った。火災は収まったが、煙と熱気は残っていたためタンクの水が無くなるまで放水を続けた。
 高圧洗浄装置を操作していた鈴木さんは、近くにいた女性の「まだ、子供が中にいる」との悲痛な声を聞いたため、ベランダを乗り越え窓を開け室内に入ろうとしたが、まだ、高熱と濃煙が充満していたため、干してあった洗濯物を口に当て中へ入った。するとベッドの横の窓の下に仰向けに倒れていた子供を発見、すぐさま抱きかかえ窓から脱出した。
 我が身の危険を顧みぬ迅速的確な山本さん、鈴木さんの連携行動が、延焼拡大を防ぎ、間一髪で男児の救出を成功させた。男児は入院治療を経て、後遺症もなく退院した。
 
山本 慎二氏
受賞の言葉
 この度は思いもよらずこの様な賞を頂く事になり大変驚いております。
 私達の取った行動がこの様な形で多くの皆様達から評価された事を本当に嬉しく思います。
 本当にありがとうございました。
 これからもいろんな方面で自分に出来る可能な限りどんな小さな事でも社会に貢献出来る様、努力していきたいと思います。
 
鈴木 康弘氏
受賞の言葉
 年に数回しか通らない道、高圧洗浄車を運転していたという偶然が火災を消火し、家の中に残された幼い子供の命を救い出す事が出来ました。
 当たり前の事をしただけと思っていたのに、この様な賞を頂き、大変光栄に思っています。これからも少しでも社会に役立つ様に生きて行きたいと思います。
 
消火活動に活躍した高圧洗浄車
 
 
火災のあったアパート
 


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