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8月4日(木)
本日のスケジュール・内容
日本出国・フィリピン入国 セブへ
 
 前夜のミーティングの余韻も覚めやらぬ中、フィリピン出発の朝を迎えた。研修、宿泊でお世話になった多磨全生園研修棟の掃除を皆で手分けして行なったあと、午前8時に全生園をあとにした。都内一般道、高速道路を通って3時間ほどで成田空港に到着した。バスの中では、翌月曜日に予定されている我々が主催することになっている懇親会について皆で相談し、練習を行った。結局企画は、女性陣による日本舞踊、男性陣によるダンス、そして皆でマツケンサンバを踊り、世界に一つだけの花を歌って終わりになりそうである。世界に一つだけの花は英語訳が今ひとつであったため、皆で自然な形に修正を加えるなどさすが英語にこだわりがある人が多い。
 成田ではお土産を買ったり、最後の日本食を楽しんだりして過ごした。フィリピン航空PR433便は定刻に出発し、5時間のフライトで無事セブ島に到着した。セブ島のマクタン国際空港には、Leonard Wood Memorial LaboratoryのMrs. Guillerma Limが出迎えてくださっており、バスでマクタン島内のホテルヘと向かった。バスから外の風景を見ると、すっかり夜もふけていたが、屋台の明かりが輝いていたり、カラフルな乗り合いバスが走っていたりとフィリピンに来たことを実感した。セブ島は想像していたリゾート地ではなく、現地の人の生活空間の中にホテルが点在しているような感じであった。夕食は、ミーティングをかねてホテルのレストランで初フィリピン料理を堪能した。 (文責:城下)
 
ホテルでの夕食・ミーティングの様子 Mabuhay!
 
8月4日 今日の一言
岡田:ついにフィリピンヘ。きれいなホテルにびっくり!今までにした激安海外旅行の中で一番イイトコだなぁ。けど、どこにいてもメンバーのテンションは上がりっぱなし、にぎやかで楽しい夜をすごせました。さぁ、いよいよ国外研修の始まり始まり〜♪
金子:移動日ながら、朝から夜までみんなハイテンションな日でした。(よく考えるといつもそうかも・・・?)このままの勢いで頑張って楽しくやっていきたいな。
貞方:いよいよフィリピンヘ移動。移動中に参加メンバーの経歴・考えを聞き、みなそれぞれたくさんの経験と深い考えがあることを実感した。これからのフィリピンでの毎日はこんなにアグレッシブな方々と一緒に体験し、考えられる。楽しみ!
:Cebu island 到着!成田でパスポートの有効期限が足りなくて入国できないかも、と脅されるも難無く通過〜♪9日間のフィリピン滞在のスタートだ。案ずるより産むが易し。
飛永:3日目にしてメンバーの距離感が良い感じで縮まりましたなっ。祝笹川記念ヒップホッパーズ結成。とにかく松ケンの振り付けが不安だ。章子ちゃん、指導よろしく!
福永:30kg制限の荷物もみんな(特にヒロと健ちゃん)のおかげで乗り越えられました。ありがとう!明日からの研修頑張ろう。
今井:みんなと一丸となって出し物の練習!楽しかった。初のフィリピン料理、うまかった。食いすぎたかなぁ。。
関谷:セブに到着!南の島のさわやかな風に吹かれながら食べたディナーは格別でした。夕食後に懇親会で披露するマツケンサンバの練習をして、みんなでわいわいと楽しい夜を過ごしました。
筒井:ホテルの豪華さに、テンション急上昇!勢いで、夕飯注文しすぎました。会計さん、ごめんなさい。懇親会へ向けた練習が本格的にスタート。いよいよ睡眠時間が短くなりそうな・・・しかし、海外初日からかなりのハイペース。
船橋:セブのヤキソバで満腹!腹一杯に美味い食事を食べられるのは何と幸せな事か。
赤木:いよいよフィリピンに移動!バスでの移動時間に練習した「世界に一つだけの花」のメッセージがフィリピンの人々に伝わることを祈りながら。
城下:マガンダン・ガビ:入国審査では通じたように思えたのだが、セブアーノには通じず。悲しい。フィリピン入国で皆かなり盛り上がってきた。 (訳 こんばんは)
平野:移動日、いよいよフィリピンヘ。仲間はみんな明るく元気だ。セブのホテルで、WHO懇親会での出し物のため、マツケンサンバの練習をする。ここでマツケンサンバを踊るなんて考えていなかったなぁ。
鈴木:歌った、踊った、楽しんだ!皆がはじけた夜でした!マボハイッ!
 
8月5日(金)
本日のスケジュール・内容
1)Department of Health(DOH)Regional Field Office, Region VII(Central Visayas)訪問
2)Cebu Skin Clinic訪問
3)Eversley Childs Sanitarium訪問
4)Leonard Wood Memorial Laboratory訪問
 
1)Department of Health(DOH)Regional Field Office, Region VII(Central Visayas)訪問
 セブでまず訪問したのがDOHのRegional Field Office。いろいろな施設を回る前に表敬訪問をしたといった感じだ。そこでDr. LegaspiとDr. ErasmoにRegion VIIでのハンセン病の状況とRegional Field Officeがどのような役目を果たしているのかを話していただいた。
 フィリピンは16のRegionに分かれているらしいが、その中の一つRegion VIIはBohol, Cebu, Negros Oriental, Siquijorの4つのprovinceとCebu Cityの地域をカバーしている。ハンセン病についてはPaucibacillary, Multibacillaryそれぞれの合計患者数や、その年の罹患数、多剤療法を受けている患者数がそれぞれの地域のものが統計として出ていた。これは病院に報告の義務があり、それをRegional Field Officeの方でまとめているそうだ。
 統計によるとCentral Visayasは人口622万強だが現在治療を受けているハンセン病患者は900人ほどとのこと。政府が予算の2%しか保健に割り当てていないので財政的には厳しく、海外からの寄付に頼っているところが大きいらしい。しかしながら去年、多額の寄付をしてくれたところの寄付が打ち切りになり、ハンセン病に関して予算が非常に減ってしまったらしい。
 Regional Field Officeの役割としては、政府の医療に対する予算が少ないため、海外のいろいろな機関との関係を良好に保つことが重要なこと、地域の病院が機能しているか管理すること、Rural Health Unitなどの地域の医療機関との連係をうまくすることが挙げられていた。ハンセン病の他に結核やデング熱の状況の改善、就学前児童の栄養管理などを限られた財源の中で工夫して行っているようだった。Sasakawa is generous, Sasakawa is very generous.と繰り返し言っていたのが印象的だった。 (文責:関)
 
signboard
 
ABOVE ALL SERVE THE PEOPLE
 
2)Cebu Skin Clinic訪問
 Cebu Skin Clinicは、およそ70年前に設立された、フィリピン南部で有名な診療所である。私達が到着した時、待合室には診察を待つ患者さんでいっぱいであった。しかし、そこは東京の全生園とは全く違う、まるで病院とは思えないような、明るくすがすがしい雰囲気であり、印象的であった。
 私達はハンセン病についてDr.Roland V. CellonaとDr. Marivic Balagonから講義を受けた。全生園での講義内容に加えて、フィリピンでは経済的レベルの低い人に発症する率が高い、発症の理由は80%の確率で不明である、など、フィリピンでのハンセン病のおける現状について学ぶことが出来た。隔離政策廃止後、ハンセン病患者は通院による治療を行っているが、この診療所での治療費、MDTの薬剤費は無料であるということであった。1999年までは日本財団がWHOを通じて治療薬を無償配布し、現在はNovartis Farmaが提供している。
 講義の後、実際に治療中の患者さんが次々に4人呼ばれ、ハンセン病に特徴的な皮膚所見や、知覚の異常について説明を受け、私達は実際に間近で見ることが出来た。日本では人権問題から講義で実際の患者さんを前にすることはほとんどない。私達に貴重な機会を与えてくれた患者さん達に心から感謝したい。眼科医であるDr. Ravenesは、一人の患者さんを例に、ハンセン病での眼症状について説明してくださった。
 その後、顕微鏡でらい菌の観察をし、先生方に質問をさせていただいた。外に出た時には、午前中の診療時間が終わっており、待合室には誰もいなくなっていた。 (文責:金子)
 
Dr. Balagonに質問
 
らい菌を観察するツッツ


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