3.2 大規模モデル
大規模問題におけるISMの性能を調べるために、長さ100mm、幅400mmm、板厚10mmの平板の中央をビードオン溶接する計算を行った。分割数は長手方向50、幅方向400、板厚方向10とし、モデル規模は200,000要素、224,961節点、669,248自由度である。FEMモデルをFig. 8に示す。計算マシンは前節と同じである。
Fig. 8 FEM model of plate model.
準定常状態での温度分布をFig. 9に示す。トータルの温度ステップ数は1,178である。準定常状態での変形モードと応力分布をFig. 10に示す。準定常状態での強非線形領域BをFig. 11に示す。大規模なモデルになると、全体領域に対して溶接トーチ直下の非線形領域の占める割合が小さくなるため、準定常状態でB領域に含まれる要素数は約800で全体の0.4%と非常に少ない。したがって、大規模な問題になるほど、ISMのメリットが大きくなると考えられる。
Fig. 9 Temperature distribution of plate model.
Fig. 10 |
Deformation and stress distribution of plate model. |
Fig. 11 Nonlinear region B of plate model.
各温度ステップでのB領域の要素数をFig. 12に示す。溶接終了の1,000ステツプでのB領域の要素数が急激に増加しているが、これは、溶接終端部で塑性領域が広がっていることに起因していると考えられる。
Fig. 12 Number of B element of plate model.
各温度ステップでの計算時間の積算値をFig. 13に、計算時間と使用メモリをTable 2に示す。トータルの計算時間は105.6時間(4.4日)であるが、汎用FEMでは同じ計算マシンを使用しても、現時点ではソフトが使用できるメモリの上限が8GBに制限されているため大規模な溶接シミュレーションを実行することは困難であり、67万自由度で1,178ステップの溶接シミュレーションが約1週間以内で計算できることは非常に有効である。
Fig. 13 Computing time history of plate model.
Table 2 Computing time of late model.
Model |
Computing time |
Memory size |
Plate |
105.6Hr
(4.4day) |
20GB |
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Model size:
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200,000 elements, 224,961 nodes, 669,248 freedoms, 1,178 steps |
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