日本財団 図書館


8. バンコク港(Bangkok Port)の概要
 バンコク港はチャオプラヤ川の下流に位置する港である。港から内陸地域や隣国などへの貨物運搬が敏速かつ経済的に行えるよう国道と鉄道が繋げられている。バンコク港の管轄水域は全長およそ66キロメートルである。面積は約941エーカーで、それは物置場、倉庫、保管場所、管理する建物と埠頭から構成されている。
 バンコク水路(Bangkok Bar Channel)は全長約18キロメートルである。水路幅に関しては直線部で約150メートル、湾曲部では約250メートルである。水路の深さは平均海面(M.S.L)より8.5メートル〜11メートルを保持している。しかし、これらの地形的制限によりバンコク港に入港しようとする船舶は、排水量12000DWT以下、全長172メートル以下、喫水8.2メートル以下の船舶に限られている。
 
図:バンコク港の位置(チャオプラヤ川)
 
(1)港湾管理の体制
イ 組織体制
 バンコク港の組織図としては以下のとおりである。
 
 
ロ 港のサービス提供
 バンコク港は、貨物を預かって保管したり、出荷用の貨物をコンテナに積む等の支援事業を行っている。このほか、設備の洗浄をはじめPre-tripやPre-coolの貨物コンテナ修理、ゴミの受け取り、水路および埠頭の浚渫作業、水路深度の検査、タグ、医療施設のサービスも提供している。
(2)安全対策
 バンコク港は、港内の人命、財産、荷物等の安全を確保するため、港の警備員が港の警察官と協力し合って常に24時間、港の秩序を維持している。港の消防隊は性能の高い設備と泡・水の消防車を保有している。非常事態に対する予防措置および対策の訓練も厳しく行っている。港のコンテナターミナルの監視はClosed-Circuit Television(CCTV)システムを設置して、事故等の対処が迅速に行うことができるようになっている。
 また港と船舶の安全を図るために、ISPS Code(International Ship and Port Facilities Security Code)の維持を行っている。さらにISM Code(International Safety Management Code)を導入し、港内での作業による危険防止を図っている。
 
図:バンコク港の鳥瞰図
 
 港内においてタイ港湾管理局は、全ての貨物を管理するため、管理室を設けている。管理室内では貨物の種類やコンテナ番号などをコンピューターに入力し、貨物に関する情報の確認を迅速に行うことができるようになっている。管理室内にある全てのコンピューターは停電などの非常事態に対応できるようにバックアップ機能が設けられている。
 
写真:バンコク港の管理室
 
写真:バンコク港内のターミナル


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION