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(2)組成別の特徴
ア. プラスチック類
 プラスチック類は、漂着物全体に占める重量比率が平均22.4%(0.3〜56.1%)、個数比率が平均42.4%(14.8〜71.3%)であり、海岸によって違いがみられた。
 比較的重量比率が高かったのは、山東省の「葡萄浜」(重量比率56.1%、個数比率53.1%)、河北省の「老虎石海水浴場」(重量比率54.5%、個数比率53.8%)、であり、個数比率が高かったのは、遼寧省の「筆架山海水浴場」(重量比率35.0%、個数比率71.3%)、河北省の「東山海水浴場」(重量比率54.0%、62.8%)であった。
 昨年度のプラスチック類の重量比率は平均16.4%(1.4〜53.0%)、個数比率は平均27.8%(10.4〜48.3%)であり、このうち山東省の「葡萄浜」は、本年度の調査と同様にプラスチック類の占める割合が高かった。
 
イ. ゴム類
 ゴム類は、重量比率が平均6.0%(0〜14.4%)、個数比率が平均4.4%(0〜41.9%)であり、重量比率はいずれの海岸も低く、個数比率は海岸によって違いがみられた。
 比較的重量及び個数比率の高かったのは、江蘇省の「白沙海湾砂浜」(重量比率14.4%、個数比率41.9%)であった。
 昨年度のゴム類の重量比率が平均4.8%(0〜16.1%)、個数比率が平均1.0%(0〜6.2%)であり、本年度の調査は、昨年度の調査に比べ個数比率がやや高い結果であったが、これについては、本年度の「白沙海湾砂浜」の49個/100m2(41.9%)が突出していたためである。
 
ウ. 発泡スチレン類
 発泡スチレン類は、重量比率が平均29.6%(0.7〜81.1%)、個数比率が平均8.3%(0.5〜40.2%)であり、海岸によって違いがみられた。
 比較的重量及び個数比率が高かったのは、江蘇省の「塩城大豊港海岸」(重量比率81.1%、個数比率40.2%)であった。
 昨年度の発泡スチレン類は、重量比率が平均5.0%(0.4〜29.4%)、個数比率が平均8.6%(0.8〜55.8%)であり、本年度の調査は、昨年度の調査に比べ重量比率が高い結果であったが、これについては、本年度の「塩城大豊港海岸」の4,726.7g/100m2(81.1%)が、突出していたためである。
 
エ. 紙類
 紙類は、重量比率が平均1.9%(0〜20.0%)、個数比率が平均8.9%(0〜38.9%)であり、海岸によって違いがみられた。
 比較的重量比率及び個数比率が高かったのは、山東省の「石老人海水浴場」(重量比率20.0%、個数比率38.9%)であった。
 昨年度の紙類は、重量比率が平均3.9%(0〜13.4%)、個数比率が平均14.2%(0〜35.5%)であり、本年度の調査とほぼ同じであった。
 
オ. 布類
 布類は、重量比率が平均1.6%(0〜28.8%)、個数比率が平均3.4%(0〜11.5%)であり、重量は海岸によって違いがみられ、個数比率は低かった。
 比較的重量比率が高かったのは、遼寧省の「竜湾海辺海水浴場」(重量比率28.8%、個数比率2.1%)であった。
 昨年度の重量比率が平均8.6%(0〜31.1%)、個数比率が平均2.5%(0〜12.2%)であり、本年度の調査は、昨年度の調査に比べ重量比率は低かった。
 
カ. ガラス・陶磁器類
 ガラス・陶磁器類は、重量比率が平均22.7%(0〜47.6%)、個数比率が平均25.0%(0〜68.6%)であり、調査海岸によって違いがみられた。
 比較的重量及び個数の比率が高かったのは、江蘇省の「呂四鎮東海岸」(重量比率47.6%、個数比率68.6%)であった。
 昨年度のガラス・陶磁器類は、重量比率が平均20.6%(5.7〜63.2%)、個数比率が平均29.3%(3.3〜78.0%)であり、本年度の調査とほぼ同じであった。
 
キ. 金属類
 金属類は、重量比率が平均11.9%(0.1%未満〜33.3%)、個数比率が平均11.9%(0.2〜14.8%)であり、調査海岸によって違いがみられた。
 比較的重量及び個数比率が高かったのは、山東省の「黄金海岸」(重量比率33.3%、個数比率14.9%)、また、個数比率が高かったのは、江蘇省の「白沙海湾砂浜」(重量比率29.8%、個数比率5.1%)であった。
 昨年度の金属類は、重量比率が平均6.2%(0.3〜17.8%)、個数比率が平均5.0%(1.0〜11.1%)であり、本年度の調査は、昨年度に比べ重量比率が高く、個数比率が低かった。
 
ク. その他の人工物
 その他の人工物は、重量比率が平均3.9%(0〜34.5%)、個数比率が平均5.6%(0〜22.5%)であり、海岸によって違いがみられた。
 比較的重量及び個数の比率が高かったのは、山東省の「煙台第一海水浴場」(重量比率34.5%、個数比率14.2%)、山東省の「石老人海水浴場」(重量比率20.7%、個数比率22.5%)であった。
 昨年度のその他の人工物は、重量比率が平均34.5%(0.2〜82.3%)、個数比率が平均11.7%(0.1〜33.6%)であり、本年度の調査は、昨年度の調査に比べ重量比率、個数比率ともに低かった。
 
(3)詳細な組成別分類の特徴
ア. プラスチック類
 プラスチック類の総量は、12,931.0g、1,738個であり、図3.4.2-5にその内訳を示す。
 個数比率は、「雑貨類」が39.6%と最も高く、次いで「破片類」18.0%、「ひも類」17.0%の順であった。
 
図3.4.2-5 プラスチック類内訳比率
 
 これらの「小分類」に個数を集計し、プラスチック類項目別上位10品目を図3.4.2-6に示した。
 「タバコのフィルター」652個が最も多く、次いで「ロープ」267個、「プラスチックの破片」159個、「シートや袋の破片」154個、「食品用・包装用の袋」102個の順であり、日本海沿岸の海岸で広く確認された「レジンペレット」は、河北省の東山海水浴場で11個、老竜頭海水浴場で28個、老虎石海水浴場で15個の計54個採集された。
 昨年度の調査結果では、「タバコのフィルター」276個が最も多く、次いで「プラスチックの破片」187個、「食品用・包装用の袋」163個、「その他の袋」144個、「ふた・キャップ」105個の順であり、両年度とも「タバコのフィルター」及び「プラスチックの破片」、「食品用・包装用の袋」などが、プラスチック類の項目別上位として出現した。
 
図3.4.2-6 プラスチック類項目別上位10品目


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