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第五十九回栃木県芸術祭
吟剣詩舞の祭典
 平成十七年十月二十三日標記の祭典が栃木県総合文化センターメインホールに於いて開催されました。出演は県内四地区より選出された合吟二十一組、合舞ほか十組、競演としては四地区より地区別に構成吟舞各三〇分構成で演出、今年は宇都宮市を中心とする中部地区が芸術祭賞を獲得しました。
 
幅20メートルの長江を背景に「黄鶴楼」を舞う
 
 最後にコンクール上位入賞者で構成する恒例の選抜構成吟舞二幕(一幕三〇分)。今年は『長江旅情』と題し脚本・構成を栗原嶽楊、演出・監督を浅田秀鳳で上演され満場の喝采を受けました。構成内容は、長さ三六〇〇キロ世界第三位の大河長江(揚子江)を背景に旅情を綴りました。
 李白の詩を主題に、舞台は華麗に吟と舞で表現されました。
(栃木県総連南部地区連合会 栗原嶽楊)
 
流祖 鹿野神燈師 後見 鹿野神洞師  追悼
神燈流剣詩舞道大会
 平成十七年十月二十三日、標記大会が千代田区公会堂にて開催されました。
 舞台正面に神燈流流祖・鹿野神燈、後見・神洞両師の遺影がかけられ、お二人の“慈愛”に包まれる中、全国の先生方をお迎えして、厳かかつ、暖かな大会が開催されました。
 特に印象深かったのは、山下神燈二代目宗家の挨拶。遺影に向かい「今、どんな風に見て下さっていますか。もっとしっかりやれとおっしゃっていますか。それとも良くやったねと誉めて下さいますか・・・」。目に涙を浮かべつつ・恩師に素直に、熱く問いかける姿が、実に自然体で爽やかでした。
 両師の遺志を継ぎ、神燈流の発展に心血を注ぐと誓った二代目の、清心な気持ち一色の飾りのない、朴訥とした言葉の一つ一つは、両師の剣舞にかけた熱い情熱をしっかり受け継いでいく覚悟をよく表していました。
 
青少年による「白虎隊」
 
 感謝、人の和、思いやり・・・。人間修業としての剣詩舞道――良き後継者の清々しい成長ぶりに、目を細める流祖、後見の姿が心に浮かびました。
(神燈流 松村薪燈)
 
聖風流創立三十五周年記念
吟剣詩舞道大会
 平成十七年十月二十三日に、標記大会を大府市勤労文化会館にて開催いたしました。友好吟界の多数の合吟出演と、予想以上の観客で満席となる盛況となりました。
 日頃より浅田聖風宗家は青少年育成に熱心で今大会に『伝統に輝く青少年』の部を企画、当流の幼少年と近隣の青少年の吟舞出演に満堂の拍手があり感激。
 会員構成吟“雪月花”の部では、生け花と茶道と舞台が一つになり、着付け吟舞と多彩な催しに会場は優雅な雰囲気となりました。さらに少壮吟士等による記念企画吟舞、ご来賓諸先生の御範吟舞で深い感動を与えて戴きました。
 式典ではご来賓の諸先生から感激の言葉と温かい祝電を戴き、長く聖風流に尽力された三名の会長に感謝状と記念品を、また大会出演の子供達全員に宗家からプレゼントが贈られました。
 
構成吟(慷慨の詩人・一休)。
平家物語祇王御前の琵吟、浅田聖風宗家
 
 終わりに構成吟舞『慷慨(こうがい)の詩人一休』、企画構成は浅田宗家、吟は聖風流、舞は天辰神容流社中に華を添えて戴き、一休宗純の生涯を吟舞で構成、子供達の『一休さん』の歌と舞のオープニングは会場から『可愛い』と声がかかりました。宗家自らは一休宗純が大悟したと伝えられる平家物語の祇王御前の琵吟を発表、聖謙宗嗣による一休辞世の吟で終わり、フィナーレは会員と出演者全員による『母上さま』の大合吟で幕となりました。
(大会事務局)
 
不朽流吟詠会創流八十五周年
第五十五回 記念大会
平成十七年十月三十日
豊橋市公会堂
 
 会場には、宗家初代、二代、四代の遺影が飾られ、はじめに歴代宗家と会員物故者に対する慰霊の黙祷を捧げて、記念大会の幕が開きました。会員による合吟三十七題と、友好会派十団体、二百名の合吟十題が熱演され午前の部が終了致しました。
 
式典で挨拶する宗家五代・大伊達不朽
 
 記念式典では、宗家五代大伊達不朽の挨拶に続いて、ご来賓の豊橋市長、吟界からは清水照鵬中部連協幹事長、杉浦容楓県総連理事長、深浦精正三河地区事務局長のご祝辞を賜りました。
 また(財)日本吟剣詩舞振興会会長河田和良先生ほか多数の祝電披露、新会長四名の紹介、永年者三十五名の表彰と続き最後は実行委員長の謝辞で閉式致しました。
 午後は愛知県総連盟からお招きした諸先生の範吟二十題に続き記念特別企画「競吟」が行なわれました。この競吟は、一チーム五名編成で、二十八チーム百四十名が競いました。上位七チームの入賞発表があり、続いてご来賓諸先生のご範吟舞で舞台に華を添えて戴きました。
 最後は、指導者十七名による記念吟剣詩舞「愛、終古に」が日本壮心流剣詩舞道の賛助出演を戴いて満員の客席から惜しみない拍手の中、終了致しました。
(大会事務局)
 
吟道賀城流創流五十周年記念祝賀会
 前日の大雨から一転快晴に恵まれ、平成十七年十月三十日、標記記念祝賀会を都ホテル大阪に於いて、五百六十名の参加を得て、盛大に開催致しました。
 会場は財団及び総本部の花、各分会の花、昨夏中国吟詠交流会でプレゼントされた大水墨画と書が壁面を飾り、誠に華やかなムードに包まれました。
 午前十一時総本部会旗を先頭に十五の分会旗の入場行進から始まり、式典に入り流祖福島賀城先生の遺詠、花月吟、幽玄雅韻に満ちた名吟を拝聴し、来賓大阪市長代理、愛国詩吟総連盟初め各連盟理事長先生方の祝辞を頂戴し、祝電披露に進み財団会長、河田和良先生の祝い文を読み上げ、続いて各先生方からの電文の披露を致しまして、予定通り厳粛に式典を終了しました。
 創流から五十年、宗家は四十三年前に亡くなられ、その後会長を中心に合議制で、作譜から運営に至るまで一貫して通してきた事と、分会が一定の枠内で移譲された権限を行使して弘風活動をすることで、総本部を支えてきたことも賀城流の特徴であります。
 ご来賓に感謝し、会員と共に歩み、楽しむ会にすることの決意を新たにする会となりました。
(吟道賀城流総本部会長 松井鶴城)
 
吟道賀城流創流50周年記念祝賀会式典


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