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 東京港の安全を守り、使利に使えるようにくふうすることも、たいせつな仕事の一つです。そのために、いろいろな施設(しせつ)やしくみの協力(きょうりょく)が考えられています。
 
〈船の安全な航行(こうこう)のために〉
 東京港に船が出入りするときは、「東京海上保安部(ほあんぶ)」(国土交通省(こくどこうつうしょう))に連絡(れんらく)して、その指示(しじ)に従って航行や停泊(ていはく)をします。保安部はレーダーや信号灯(しんごうとう)、航路標識(こうろひょうしき)、巡視船(じゅんしせん)などを使って、海上交通の整理(せいり)をします。
 
光・音・電波で船の交通整理をしている東京灯標
 
〈正しい貿易(ぼうえき)と人々の出入国のために〉
 お互いの国の貿易を正しくのばすために、「東京税関」(財務省(ざいむしょう))では、東京港、成田・羽田空港を出入する品物が、貿易してもよいものかどうか調べます。
 また、外国の品物が輸入される時にかかる、税金(関税)の仕事もします。「東京入国監理局(とうきょうにゅうこくかんりきょく)東京港出張所」(法務省)は、外国人が上陸してもよいかどうかを、船の中などで調べる仕事をしています。
 
〈人や動植物の伝染病などを防ぐために〉
 外国からコレラやペストなどの恐ろしい(おそろしい)伝染病が入らないように、決められた場所で検査するのが「東京検疫(けんえき)所」(厚生労働省(こうせいろうどうしょう))の仕事です。
 
植物防疫所の検査
 
 「動物検疫(けんえき)所」(農林(のうりん)水産省)は、動物や肉ハムなどの検査をし、植物やオレンジ・レモンなどのくだものは、「横浜植物防疫(えき)所東京支所」(農林水産省)が検査をします。
〈港の治安(ちあん)・災害(さいがい)を防ぐために〉
 「東京水上警察署(けいさつしょ)」・「臨港消防署(りんこうしょうぼうしょ)」(東京都)の船は、いつでも出動できるようになっています。船や港で働く人々が、安全に仕事ができるよう、「関東運輸局(うんゆきょく)東京海運支局」(国土交通省)では、船員の技術(ぎじゅつ)や船などの設備(せつび)のために、いろいろ指導(しどう)をしています。
 
(3)船の入港と働く(はたらく)人々
 午前5時30分、港外の仮泊地(かはくち)から船が入港をはじめると、東京港の一日が始まります。そのころ、入港する船の綱取り(モヤイとり)の人たちを乗せたボートやタグボートが走り出します。
 タグボートは、水先人(みずさきにん)(パイロット)が乗って入港してくる船に寄りそう(よりそう)ようにして、停泊(ていはく)する場所まで走っていきます。岸壁(がんぺき)や泊地(はくち)に停泊(ていはく)した船は、太いロープでしっかりとつながれ、長い航海(こうかい)の疲れ(つかれ)を休めるように、大きな船体を横たえます。
 コンテナふ頭では、午前8時半から船に荷物を積みおろしする仕事がはじめられ、クレーンやトラックを運転する人たちが忙しく働き出します。
 長い航海のあとの船は、水や食料の補給(ほきゅう)もします。水は岸壁にある給水パイプや給水船から、食料は、船舶(せんぱく)食料会社からまとめて運ばれてきます。港では、このように多くの人々の活動が見られます。
 
消防艇
 
大きな船をおすタグボート


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