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事業の目的
 さまざまな理由から自然の状態を保つ海岸線は減少し、身近な環境・生物学習の場であった海を利用する機会は年々減ってきているのが現状である。同時に環境の悪化や生物の減少などにより子供たちが海に親しむ機会も減少している。
 当館では、子供たちが海に親しむ機会を多く持てるように、また海や海洋生物に興味関心を抱くことを目指して、1999年より従来の見学学習にとどまらない体験学習プログラムを企画し、運用してきた。そこでその経験を活用して本事業で海を対象としたプログラムを開発し、実施することを目的とした。
 ここでは、来館者が楽しみながら海の素材を利用し、海に親しめるように、縁日水族館というネーミングを生かして会場内に4つの屋台を設け、海水中の塩を実際に土鍋で煮詰めて作り出す「海の水から塩をつくろう」、海藻を用いて名刺サイズのカードを制作する「海そうで押し葉づくり」や貝殻やウニ殻を用いて小さな記念品を製作する「浜辺の小さな標本づくり」、肉眼では観察できないプランクトンを顕微鏡で観察したり、ウニやナマコ、ヒトデを拡大観察する「生きものズームアップ」を実施した。会場では雰囲気を盛り上げるために紅白幕や提灯などの飾り付けやBGMとしてお囃子を流した。また、スタッフも法被を着用して解説や子供たちの作業の補助に当たった。
 当館での楽しい体験が今後、海を訪れた際にさらに海に親しむきっかけになり、環境や生物のことが家族間でのコミュニケーションの題材になれば良いと考える。
 当館は水族館と科学博物館の要素を持ち海洋に関する総合的な科学博物館として運営されている。東海大学は我が国で唯一の海洋学部を持ち、海洋に関する科学技術の教育研究を行っている。当館は海洋学部の教育研究に利用すると共に、海洋科学に関する知識を広く一般市民に啓蒙普及することを目的としている。理科離れが進み、生物に触れる機会の少ない子供が生物や海を身近に感じることにより、将来海洋や海洋生物に興味を抱き、その分野の学問を志す動機付けになることを目的として実施した。
 
実施期間:2005年8月10日(水)〜8月17日(水)の8日間
 
縁日水族館 実施タイムスケジュール
09時  博物館 開館
10時  縁日水族館 会場オープン
16時  〃 会場入場ストップ(繁忙日は時間延長)
17時  博物館 閉館
 
※尚、縁日水族館の利用は一般来館者すべての方が可能。通常入館料のみ。
 
1. 海とあそぼう(会場入口)
 会場入口に設置した「海とあそぼう」のコーナーは「海へいこう」「思い出づくり」「浜辺の呼び名」の3部から構成した。「海へいこう」では磯での観察方法やその際の注意などをイラストと写真で展示した。また、海の素材を利用する「思い出づくり」では例として、海藻で標本を作る方法、貝殻の箱詰め標本の制作方法、魚拓、煮たり焼いたりした魚の骨で制作した骨格標本などを紹介した。「浜辺の呼び名」ではさまざまな海岸の風景や付近に生息する生物を写真で紹介した。これら海の生物のいろいろな標本作りは夏休みの自由研究の参考資料として展示した。
 
会場入り口看板
 
海とあそぼうパネル展示
 
魚拓紹介
 
思い出づくりパネル展示
 
会場入り口
 
貝殼の箱詰め標本


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