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航海用レーダー及び関連機器に関するIMO総会決議一覧
 
1、付録2 1974年の海上における人命の安全のための国際条約の2000年度改正(仮訳)
(1974SOLAS条約の附属書第IIの2章及び第V章の全面改正)
決議MSC.99(73) 2000年12月5日採択
 
2、1.1 レーダー装置の動作基準に関する勧告
決議MSC64(67)ANNEX17 1996年12月6日採択
1.2 同 性能基準に関する勧告
決議A.477(XII) 1981年11月19日採択
 
3、電子プロッティング装置の性能基準
決議MSC64(67)ANNEX4 APPENDIX2 1996年12月6日採択
 
4、自動物標追跡装置の性能基準
決議MSC64(67)ANNEX4 APPENDIX1 1996年12月4日採択
 
5、自動衝突予防援助装置(ARPA)の性能基準
決議A.823(XIX) 1995年11月23日採択
 
6、高速艇に備える航海用レーダーの性能基準
決議A.820(XIX)1995年11月23日採択
 
7、船速距離計の性能基準
決議A.824(XIX) 1995年11月23日採択
 
1・2 船舶安全法関係の規定
 船舶安全法の第2条には次のような規定(関係箇所のみ)がある。
 
(船舶の所要施設)
第2条 船舶は左〔下〕に掲ぐる事項につき、命令の定むるところにより施設することを要す。
九 航海用具
 
 「命令の定むるところにより」とは、すなわち船舶設備規程のことで、航海用具については第3編第3章に詳しく記述されている。航海用レーダーなどに関しては次の規定があり、その内容については前節のSOLAS条約に準拠している。
 
1・2・1 航海用レーダーに関する船舶設備規程
○ 国土交通省令第75号
 船舶安全法第2条第1項 〜略〜 の規定に基づき、船舶設備規程等の一部を改正する省令を次のように定める。
平成14年6月25日
[船舶設備規程等の一部を改正する省令]
附則 この省令は、平成14年7月1日から施行する。
 
第3章 航海用具
(適用)
第146条の2 非自航船については、この章の規定のうち第146条の7から第146条の16まで、第146条の18から第146条の43まで及び第146条の49の規定(当該非自航船が人員を搭載するものであって係留船以外のものである場合には、第146条の7、第146条の9、第146条の34の3、第146条の38の2及び第146条の49の規定を除く。)は、適用しない。
○ 国土交通省告示512号
 船舶設備規程第3編第3章の規定に基づき、航海用具の基準を定める告示を次のように定める。
平成14年6月25日
「航海用具の基準を定める告示」(第1条〜第35条まで抜粋)
附則 この告示は、平成14年7月1日から施行する。
第1章 総則
(用語)
第1条 この告示において使用する用語は、船舶設備規程(昭和9年逓信省令第6号。以下「規程」という。)において使用する用語の例による。
 
(航海用レーダー)
第146条の12 船舶(総トン数300トン未満の船舶であって旅客船以外のものを除く。)には、機能等について告示*で定める要件に適合する航海用レーダー(総トン数3,000トン以上の船舶にあっては、独立に、かつ、同時に操作できる2の航海用レーダー)を備えなければならない。ただし、国際航海に従事しない旅客船であって総トン数150トン未満のもの及び管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮**して差し支えないと認める場合には、この限りでない。
2 推進機関を有する船舶と当該船舶に押される船舶(推進機関及び帆装を有しないものであって、船舶安全法施行規則***第2条第2項第(3)号ロからチまでに掲げるものを除く。第311条の22において同じ。)とが結合して一体となって航行の用に供される場合には、当該推進機関を有する船舶には、前項に規定する航海用レーダーを備えなければならない。ただし、これらの船舶が結合して一体となったときの長さ(満載喫水線規則(昭和43年運輸省令第33号)第4条の船の長さをいう。第311条の22において同じ。)が50メートル未満の場合には、この限りでない。
 
***:船舶安全法施行規則第2条第2項第3号ロからチ
(適用除外) 
第2条
2 法第2条第2項の国土交通大臣において特別に定める船舶は、次のとおりとする。 
(3)推進機関及び帆装を有しない船舶(次に掲げるものを除く。) 
ロ 沿海区域を超えて航行するもの 
ハ 平水区域を超えて航行するもののうち、推進機関を有する船舶に押されて航行の用に供するもの(沿海区域を航行区域とする推進機関を有する船舶と結合して一体となって航行する船舶であって平水区域及び平水区域から最強速力で4時間以内に往復できる区域のみを航行するもの並びに管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認めるものを除く。)
ニ 危険物ばら積船 
ホ 推進機関を有する他の船舶に引かれ叉は押されてばら積の油(海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和45年法律第136号)第3条第2号に規定する油をいう。以下同じ。)の運送の用に供するもの
ヘ 推進機関を有する他の船舶に引かれ叉は押されて人の運送に用に供するもの(次に掲げる要件に適合する長さ12メートル未満の船舶を除く。)
(1)長さ5メートル未満の船舶にあっては、当該他の船舶の推進機関の連続最大出力10馬力以下、長さ5メートル以上の船舶にあっては、当該他の船舶の推進機関の連続最大出力が20馬力以下であること。
(2)第(1)号イ(1)及び(3)****に掲げる要件
ト 特殊船
チ 推進機関を有する他の船舶に押されるものであって、当該推進機関を有する船舶と堅固に結合して一体となる構造を有するもの
****:第(1)号イ(1)及び(3)
(1)推進機関を有する長さ12メートル未満の船舶(危険物ばら積船及び特殊船を除く。)であって次に掲げるもの
イ 次に掲げる要件に適合するもの
(1)3人を超える人の運送の用に供しないものであること。
(3)湖若しくはダム、せき等により流水が貯留されている川の水域であって、面積が50平方キロメートル以下のもの叉は次に掲げる要件に適合する川以外の水域で告示で定めるもののみを航行するものであること。
(一)平水区域であること。
(二)海域にあっては、陸地より囲まれており、外海への開口部の幅が500メートル以下で、当該海域内の最大幅及び奥行きが開口部の幅より大きいものであり、かつ、外部の影響を受けにくいこと。
(三)面積が100平方キロメートル以下であること。
(四)当該水域における通常の水象条件のもとで、波浪が穏やかであり、水流叉は潮流が微弱であること。
 
附則
(施行期日)
第1条 この省令は平成15年8月1日(以下「施行日」という。)から施行する。
(船舶設備規程の一部改正に伴う経過措置)
第2条 略
第3条 現存船の航海用レーダー及び無線電信等の施設については、第2条の規定による改正後の船舶設備規程第146条の12第2項及び第311条の22第2項の規定は、当該船舶について平成30年7月31日以後に行われる最初の定期検査叉は中間検査の時期までは、適用しない。
第4条〜第5条 略
 
**:(関係規則)
省令 船舶検査心得3-1
(航海用レーダー)
146-12.0(a)
(a)「管海官庁が当該船舶の航海の態様等を考慮して差し支えないと認める場合」とは、次に掲げる船舶の場合をいう。この場合には、航海用レーダーの備付けを免除して差し支えない。
(1)湖川港内のみを航行する船舶
(2)発航港より到達港まで(発航港より最終到達港までの間に最寄の到達港がある場合には、それぞれの航路の発航港より到達港まで)の距離が、おおむね5海里以内の航路を航行する船舶であって、海上運送法に基づく免許等により当該航路のみしか航行しないことが確実であるもの。
 
第146条の13 削除
 
*:告示 第2章 航海用具
第7節 航海用レーダー等
(航海用レーダー)
第8条 総トン数500トン未満の船舶であって国際航海に従事するもの及び総トン数500トン以上の船舶に係る規程第146条の12の告示で定める要件は、次のとおりとする。
(1)航海用レーダー(2の航海用レーダーを備えなければならない場合にあっては、そのうちの1の航海用レーダー)は、9ギガヘルツ帯の電波を使用するものでなければならない。
(2)表示器は、他の設備によりその使用が妨げられるおそれのない船橋の適当な場所に設置されていること。
(3)電源の開閉器は、表示面に近接した位置に設けられていること。
(4)操作用のつまみ類は、使用しやすいものであること。
(5)前号のつまみ類は、それぞれ管海官庁が適当と認める表示を付したものであること。
(6)停止状態から4分以内に完全に作動するものであること。
(7)15秒以内に完全に作動する状態にあらかじめしておくことができるものであること。
(8)空中線は、方位角360度にわたって、連続的かつ自動的に毎分20回以上時計回りに回転し、かつ、相対風速が毎秒51.5メートルの状態においても支障なく作動するもの又はこれと同等以上の効力を有するものであること。
(9)表示面の有効直径は、次の表の左欄に掲げる船舶の区分に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げるものであること。
 
区分 有効直径
総トン数500トン以上1,000トン未満の船舶 180ミリメートル以上
総トン数1,000トン以上10,000トン未満の船舶 250ミリメートル以上
総トン数10,000トン以上の船舶 340ミリメートル以上
 
(10)自船を中心とする0.25海里、0.5海里、0.75海里、1.5海里、3海里、6海里、12海里及び24海里の各距離レンジを含む組合せを有するものであること。
(11)使用中の距離レンジの値及び周波数帯を見やすい位置に明示することができるものであること。
(12)空中線を海面上15メートルの高さに設置した場合において、通常の電波の伝播状態において、船舶が10度横揺れ又は縦揺れしたときに、次に掲げる距離性能を有するものであること。
イ 20海里の距離にある高さ60メートルの陸地及び7海里の距離にある高さ6メートルの陸地を明りょうに表示することができること。
ロ 7海里の距離にある総トン数5,000トンの船舶、3海里の距離にある長さ10メートルの船舶及び2海里の距離にある有効反射面積10平方メートルの浮標を明りょうに表示することができること。
ハ 空中線の位置から最小水平距離で50メートル以上1海里以下の距離にある総トン数5,000トンの船舶、長さ10メートルの船舶及び有効反射面積10平方メートルの浮標を、距離レンジの選別器の調整のみにより、明りょうに表示することができること。
(13)次に掲げる分解能を有するものであること。
イ 1.5海里の距離レンジにおいて、当該距離レンジの50パーセント以上100パーセント以下の距離にあり、かつ、相互に40メートル離れた同方位上の2の物標を分離して表示することができること。
ロ 1.5海里の距離レンジにおいて、当該距離レンジの50パーセント以上100パーセント以下の等しい距離にあり、かつ、方位角の差が2.5度である2の物標を分離して表示することができること。
(14)船舶の航行に必要な情報(以下「航行情報」という。)以外の情報は、表示面に表示しないものであること。ただし、管海官庁が差し支えないと認める場合は、この限りでない。
(15)記号その他の物標以外の情報は、画面から消去できるものであること。
(16)表示された物標は、すべて同一の色で表示するものであること。
(17)表示面に表示される情報は、常に明りょうに表示できるものであること。ただし、射光を防ぐため取付け及び取外しが容易に可能なフードを設ける場合は、この限りでない。
(18)レーダー・ビーコンからの信号を表示することができるものであること。
(19)偽像をできる限り表示しないものであること。
(20)真運動表示方式及び相対運動表示方式(自船の表示位置を基準とした表示面の表示方式をいう。以下同じ。)により表示することができ、かつ、真運動表示方式で表示する場合にあっては、次に掲げる要件に適合するものであること。
イ 対水速力及び対地速力により表示することができること。
ロ 対水速力又は対地速力のいずれを使用しているかを表示することができること。
ハ 自船の表示位置が表示面の中心からその有効半径の75パーセントの範囲を超えた場合には、自動的に自船の位置の航行情報を有効に表示できる位置に移動すること。
(21)方位の表示方式の切替え後、5秒以内に物標を表示できるものであること。
(22)電子距離環は、次に掲げる要件に適合するものであること。
イ 第(10)号に掲げる各距離レンジにおいて6(0.25海里以上0.75海里以下の各距離レンジにおいては、2以上6以下)の等間隔の固定の電子距離環を表示することができること。この場合において、オフセンタ機能(自船の位置を表示面の中心以外に表示する機能をいう。)を有する場合には、等間隔の追加の電子距離環を表示すること。
ロ 物標の距離を、使用中の距離レンジの1パーセント又は30メートルのうちいずれか大きい方の値以下の誤差で測定することができること。
ハ 固定の電子距離環の幅は、船首方向を示す線の幅以下であること。
ニ 固定の電子距離環の間隔により示される距離を数字で表示することができること。
ホ 可変の電子距離環により測定した距離を明りょうに数字で表示することができること。
ヘ 可変の電子距離環は、すべての距離レンジにおいて5秒以内に表示された物標の距離を測定することができること。
(23)ジャイロコンパスと連動することにより真方位により表示することができる装置を備えたものであること。この場合において、ジャイロコンパスの表示に対する当該装置の連動誤差は、当該ジャイロコンパスの毎分2回の回転に対し2分の1度以下でなければならない。
(24)前号のジャイロコンパスとの連動装置が正常に作動しない場合であっても、相対方位(船首方向を基準とする方位をいう。以下同じ。)により表示することができるものであること。
(25)船首方向を示す線は、次に掲げる要件に適合すること。
イ 1度以下の誤差で表示することができること。
ロ 幅が2分の1度以下のものであること。
ハ 表示面の端まで表示することができること。
ニ 一時的に消去することができること。
(26)電子方位線は、次に掲げる要件に適合するものであること。
イ 左右のいずれの方向にも回転することができること。
ロ 表示された物標の方位を5秒以内に測定することができ、かつ、方位角を明りょうに数字で表示することができること。
ハ 5分の1度以下で方位角を測定することができること。
ニ 幅は、船首方向を示す線の幅以下であって当該線と明確に区別できること。
ホ 真方位及び相対方位により表示することができること。
ヘ 真方位又は相対方位のいずれを使用しているかを表示することができること。
ト 外部の磁界に変化があった場合においても、表示面の周辺部に表示された物標の方位を1度以下の誤差で測定することができること。
チ 起点の位置から表示された物標までの距離を測定することができること。
リ 起点を自船の位置以外に移動させた場合には、容易に起点を自船の位置に戻すことができること。
(27)表示面の周辺には、5度、10度及び30度ごとにそれぞれ明確に区別できる目盛りを備えていること。
(28)前号の30度ごとの目盛りには、方位角を表示すること。
(29)平行線を2本以上表示することができるものであること。
(30)固定の電子距離環、可変の電子距離環及び電子方位線は、輝度を調整することができ、かつ、それぞれ独立に消去できるものであること。
(31)表示性能の著しい劣化を容易に確認することができる装置を備えたものであること。
(32)雨等の降下物、海面及び他のレーダーの電波による不要な表示を減少させる装置であって次に掲げる要件に適合するものを備えるものであること。
イ 手動により連続的に調整することができること。
ロ 当該装置が作動しないようにすることができること。
(33)感度を自動的に調節する装置、輝度を自動的に調節する装置並びに雨等の降下物、海面及び他のレーダーの電波による不要な表示の抑制機能を自動的に調節する装置を備える場合は、それぞれの装置が作動中であることを表示することができ、かつ、その作動を停止することができるものであること。
(34)設計能力を損なわないように設置されていること。
(35)自船の速力並びに潮流の速度及び流向に関する情報を手動操作により入力できるものであること。
(36)管海官庁が適当と認める方法により連動する船速距離計、ジャイロコンパス又は自船の位置を測定するための装置(「船速距離計等」という。以下同じ。)から情報の伝達を行うことができるものであること。
(37)船速距離計等からの情報の伝達が行われていることを表示することができ、かつ、当該情報の伝達が停止した場合に、可視可聴の警報を発するものであること。
(38)9ギガヘルツ帯の電波を使用するものにあっては、前各号に掲げるほか次の要件にも適合するものであること。
イ レーダー・トランスポンダーからの信号を表示することができること。
ロ 水平偏波を使用できるものであること。
ハ 2以上の偏波を使用することができる場合にあっては、使用中の偏波方式を表示することができるものであること。
(39)レーダー・ビーコン及びレーダー・トランスポンダーからの信号の表示を消去する装置を備える場合は、その作動を停止することができるものであること。
(40)2以上の航海用レーダーに相互の切替装置を設けるときは、1の航海用レーダーが故障しても他の航海用レーダーの機能に障害が生じないような措置を講じなければならない。
(41)*1第6条第(8)号から第(14)号までに掲げる要件
*1:第6条
(8)磁気コンパスに対する最小安全距離を表示したものであること。
(9)電磁的干渉により他の設備の機能に障害を与え、又は他の設備からの電磁的干渉によりその機能に障害が生じることを防止するための措置が講じられているものであること。
(10)機械的雑音は、船舶の安全性に係る可聴音の聴取を妨げない程度に小さいものであること。
(11)通常予想される電源の電圧又は周波数の変動によりその機能に障害を生じないものであること。
(12)渦電流、渦電圧及び電源極性の逆転から装置を保護するための措置が講じられているものであること。
(13)船舶の航行中における振動又は湿度若しくは温度の変化によりその性能に支障を生じないものであること。
(14)2以上の電源から給電されるものにあっては、電源の切替えを速やかに行うための措置が講じられているものであること。







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