取材――株式会社 サークオン
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水六訓
一、あらゆる生物に生命力を与えるは水なり。
一、常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。
一、如何なる障害をも克服する勇猛心と、よく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。
一、自から清く他の汚れを洗い清濁併せ容るの量あるは水なり。
一、動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い何等報いを求めざるは水なり。
一、大洋を充し、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、霰と化してもその性を失わざるは水なり。
水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります。
笹川良一
明日への提言
ひとはいさ心(こころ)もしらずふるさとは
花(はな)ぞむかしのかににほひける
河田和良
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
表題の和歌は一月二日のNHK教育テレビの「新春吟詠放送」の中で、私が吟じさせていただいた紀貫之(きのつらゆき)の歌です。紀貫之は、平安時代を代表する歌人で、三十六歌仙の一人です。「古今和歌集」選者の中心的役割をはたしました。また、貫之の書いた「土佐日記」は、わが国の日記文学の代表作とされています。
歌の意味は、あなた方のお心は、さあどうだかわかりませんが、さすが昔なじみのこの里の梅の花だけは、昔のままのかおりで美しく咲いて、私を迎えてくれていますよ。というようなことですが、今回のテレビロケが私の住む岡山県倉敷市(私の生地は岡山県笠岡市)で行なわれたところから、特にこの歌の気持ちを肌で感じながら吟じることができました。
撮影は、人通りの少ない早朝、倉敷美観地区の倉敷川に架かる「今橋(いまばし)」の中央で行なわれました。今橋は地元名家の大原邸と大原美術館を結ぶところに架かっています。名前の由来は、江戸時代の弘化年間(一八四四〜一八四八)に、大坂・今橋の豪商、鴻池家にあやかりたいとの願いを込めて名付けられたことに始まります。
現在の「今橋」は大正十五年(一九二六)、昭和天皇行啓(当時摂政)の際に、急遽、現在の鉄筋コンクリート造りアーチ橋に造り替えられたものです。当初、倉敷町が計画していたものを、岡山県生まれで、倉敷紡績社長などを務めた実業家・大原孫三郎(一八八〇〜一九四三)が倉敷町予算の十倍近い建設資金(私財)を出して造りあげました。大原孫三郎は、大原社会問題研究所や大原美術館を設立したことでも有名です。
お正月の一時、郷里の偉人のことなどを偲んでみるのも良いことではないでしょうか。
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