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吟剣詩舞の若人に聞く 第64回 特別編
村松佑輝くん
 
中谷いずみさん
 
榛葉貴博くん
 
村松佑輝くん・吟詠(十四歳)●静岡県大井川町在住
師:(吟詠心流淳風会 宗家:廣瀬心さん)
榛葉貴博くん・剣舞(十四歳)●静岡県掛川市在住
師:(日本壮心流浜松昭武館 館長:阿部昭馨さん)
中谷いずみさん・詩舞(十三歳)●静岡県浜松市在住
師:(敬心流詩舞敬心会 家元:粉川敬心さん)
 
吟じること、舞うことが、本当に好きな若い力
 今回のインタビューは、特別編として先日行なわれた平成十六年度全国名流吟剣詩舞道大会の第三部子供の日特別企画構成番組「駿河路をゆく」に出演された村松佑輝くん、中谷いずみさん、榛葉貴博くんの三人に登場していただき、吟剣詩舞のことや、番組出演の感想などを聞きました。
(インタビューは前日のリハーサル時に行ないました)
 
――まず皆さんに自己紹介していただきます。
村松「村松佑輝といいます。住まいは大井川町です。現在、中学三年です」
中谷「中谷いずみです。浜松に住んでいます。中学二年です」
榛葉「掛川から来ました榛葉貴博です。中学三年です」
――難しい質問ではないから、緊張しないで。では順番に聞いていきます。まず村松君から、どうして吟詠を始めたの?
村松「祖母や母が詩吟を習っていたので、小さなころから興味がありました。それで小学校の二年から始めました」
――でも吟詠を理解できたの?
村松「小さな頃は何をやっているのかよく分かりませんでした」(笑)
――吟詠を習い始めた時の印象はどうでしたか?
村松「漢詩が難しく、内容が分からずに、大変でした。節回しなどもうまくできずに苦労しました」
――中谷さんは、いつから詩舞を習っていますか?
中谷「小学校六年からです」
――誰かに勧められて始めたの?
中谷「祖母が詩吟を習っていまして、その詩吟に合わせて舞いたいと思い、始めました」
――同じ質問だけど、榛葉くんはいつからですか?
榛葉「小学校三年から剣舞を習っています。始めた理由はチャンバラごっこが好きでして(爆笑)、それで『ゆうゆうクラブ』に入って始めました」
――「ゆうゆうクラブ」って何?
榛葉「パソコンの教室があったり、柔道を教えてくれたり、いろいろなクラブ活動をしているところで、その中に剣舞があったので入りました」
――自分から好きで始めたの?
榛葉「最初は他のクラブに入ろうとも思いましたが、年齢的に入れなくて、チャンバラが好きだから剣舞を習ったらと、母親が勧めてくれました」
――チャンバラ好きだから、テレビも時代劇を観るの?
榛葉「はい、好きです。でも最近は時代劇をあまり観ませんが、昔はけっこう観ていました」(笑)
――昔というほどの年でもないよ?(笑)
榛葉「そうですけど・・・」(爆笑)
――村松くん、吟詠の練習は大変ですか?
村松「この頃、変声期で声が出ないのが辛いです」
――それは辛いよね、今何本で吟じているの?
村松「今は一本です。前は九本で吟じていました」
――友達は吟詠を習っていることを知っているの?
村松「知ってはいるけど、吟詠が何なのかは知らないので、まあ歌のようなものと説明しています」(笑)
――吟詠を習っていて、悩みのようなものはある?
村松「特にありません」
――中谷さんは、今どんな練習をしているの?
中谷「コンクールに向けて練習しています。これまでに一回コンクールに出ました。その時は四位でした。自分としては、もう少し上に行きたかったです」
――練習では、どんなことを注意されるの?
中谷「目線とか、姿勢をよく注意されます」
――姿勢が悪いの?
中谷「はい(笑)、少し猫背になってしまいます」
――榛葉くんは、今悩んでいることなどありますか?
榛葉「特にはありません」
――自分の剣舞に自信があるの?
榛葉「そういうわけではありませんが、少しずつは自信がついてきたようには思います。特に詩の意味が理解できるようになったので、感情を入れられるようになり、自信が出てきたと思います」
――コンクールには出たことがあるの?
榛葉「県のコンクールに小学校の四年から出て、偶然にも一回優勝しました」
――偶然で優勝したの?
榛葉「その時は、優勝できるとは思っていなかったから」
 
名流大会の子供の日特別企画構成番組「駿河路をゆく」に出演された地元の(左)より榛葉貴博くん、中谷いずみさん、村松佑輝くん
 
――練習で注意されることはある?
榛葉「よくあります。特にスピードの変化、メリハリをつける点です」
――村松くんは注意される点はある?
村松「アクセントなどをよく注意されます」
――アクセントは難しい?
村松「はい、難しいですね」
――明日は皆さん名流大会の舞台があるけど、いまの抱負を聞かせてください。
村松「抱負というより、なんか詩を忘れそうなので不安です」(爆笑)
中谷「私も、まだ舞台の感覚に慣れていないので、ちゃんと舞えるか心配です」
榛葉「僕も音に少し合っていないというか、最後まで音と吟が合わなかったので、それをなんとかしたいです」
――吟剣詩舞のどんなところが、皆さんは好きですか?
村松「歌うことが好きなので、詩吟でお腹から声を出すところです」
中谷「どんなところというより、舞っていることが好きなので楽しいです」
榛葉「刀を振れるところです。形が決まると気持ちいいです」(笑)
――皆さんは他の事をやろうとは思いませんか?
村松「特に思いません」
中谷「今のところは考えていません」
榛葉「詩舞はいつかやるかもしれません」
――これから先々も吟剣詩舞を続けて行きますか?
村松・中谷・榛葉「はい、続けていきます」
――今日はリハーサルの忙しいときに、インタビューに答えていただきありがとうございました。明日の舞台の成功をお祈りしています。


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