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端艇水路周辺
 海底には平滑な基盤岩が露出し、水路付近の表層流の激しさが伺える。しかし、北小島周辺に大型礫が運ばれていることを考えれば、礁の西側は堆積ポテンシャルが期待できる。水路からの砂流出は引き続き調べる必要がある。
 
写真3 北側礁嶺(中央部)
平滑な海底面
 
写真4 北側礁嶺(東小島付近)
削り残しのサンゴ石灰岩
 
写真5 北側礁嶺(北小島周辺)
人頭大の礫が堆積
 
写真6 ブルーホール
 
写真7 礁池(中央部)
 
写真8 端艇水路
 
 今回の調査は、“島の再生のフィージビリティを推し量るための基礎調査”としては、あまりにも大雑把なものであったが、砂礫の堆積や基盤岩の平滑さなどを観察することで、環礁内の環境条件をおぼろげながら知ることができた。
 砂礫の堆積が流れの影響下にあるのはもちろんのことであるが、それに伴う2次的な影響、例えば穿孔動物、固着性種の分布が流れの影響を受けている様子などが随所にみられた。研究会が期待するサンゴや有孔虫までが流れの影響で抑制されている様子も伺え、このままでは州島形成に長時間を要すると想像する。一方で、砂礫の堆積が認められる場所、ターフアルジー群落の発達する場所、サンゴの多いブルーホールなど、多様な環境が形成されていることも確かであり、ポテンシャルとしては悲観的な条件ばかりではない。
 現在のところ、対象生物をどこで増やし、遺骸をどこで堆積させれば州島形成が可能かなどは検討段階にも達していない。今後の調査研究のあり方に期待がかかる。







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