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救命艇装置の事故防止のための整備について
国土交通省海事局検査測度課
救命艇及びダビット外観図
(拡大画面:37KB)
 
救命艇詳細図
(拡大画面:53KB)
 
救命艇、進水装置及びオンロード離脱装置の定期的整備及び保守に関するガイドライン(MSC/Circ.1093)
 
 救命艇の落下事故、救命艇のエンジン起動用空気ボンベ破裂事故等救命艇に関する様々な事故の発生
 
(原因)
 操船者の機器に対する不慣れ、不確実なメンテナンス
 
 これらの事故を重視し、平成14年3月に開催された国際海事機関(IMO)の第45回設計設備小委員会(DE45)において救命艇の事故防止手段として、審議が開始された。
 
MSC/Circ.1093の採択
 救命艇オンロード離脱装置の点検・整備のガイドライン(MSC/Circ.614)の範囲を広げ、救命艇や進水装置までを含んだ救命艇、進水装置及び離脱装置(以下、「救命艇装置」という。)に関する点検・整備ガイドラインとして2003年6月17日に採択された。
 シンガポール、香港、ブルネイ等は、救命艇装置の定期的な整備・保守についてMSC/Circ.1093に従うよう通知している。
 
海上人命安全条約(SOLAS条約)第III章第20規則(操作の準備、試験及び点検)等の改正
 
 第20規則において、「救命設備の保守、試験及び点検は【IMOにより作成されたガイドライン】をもとに、それらの設備の信頼性を確保するような方法で実施されること」が追加された。
 当該ガイドラインがMSC/Circ.1093である。
 規則改正案は2006年7月1日に発効予定であり、救命艇装置の定期的な整備・保守については、MSC/Circ.1093によることが強制化される。
 
MSC/Circ.1093の概要
1. 保守点検(週毎・月毎点検、日常保守)
 週毎及び月毎点検並びに製造者が規定する日常保守は、製造者により提供される指示書に従って、上級士官の直接監督の下で実施されなければならない。
 
2. 整備(年次点検、定期的整備、修理)
 その他の点検、整備及び修理は、製造者の代表者又は製造者により当該業務実施のために適切に訓練され、認定された要員により実施されなければならない。
 
3. 保守指示書(点検整備要領)
 如何なる点検、整備及び修理も、製造者により構築された点検及び整備のシステム(製造者発行の保守マニュアル)に従って実施されなければならない。
 当該保守マニュアル及び関連文書一式は、船上で使用可能でなければならない。
 
4. 点検記録、整備済証明書
 乗組員によって実施された点検及び日常保守の点検保守記録は用意されなければならない。 修理、整備が完了した時には、救命艇装置がその目的に適合していることを確認した旨の声明書が製造者の代表者により発行されなければならない。
 
5. 責任、資格認証
 製造者が当該サービスを提供できない場合、主管庁は、MSC/Circ.1093で製造者に割り当てられた職務を果たす能力を持つと認めた団体に当該職務を実施する権限を与える。


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