日本財団 図書館


保守及び整備の具体的な手順
・救命艇
 下記項目について、満足な状態及び作動であることを検査し、チェックする。
1)固定及び取外し可能な艤装品を含む救命艇構造の状態
2)機関及び推進装置
3)散水装置(装備されている場合)
4)空気供給装置(装備されている場合)
5)操縦装置
6)電力供給装置
7)排水装置
 
・離脱装置
 下記項目について、満足な状態及び作動であることを検査する。
1)離脱装置の起動装置の作動
2)過大な遊び(許容値)
3)水圧インターロック装置(装備されている場合)
4)コントロール及び離脱用ケーブル
5)フック留め金
 離脱装置の保守及び調整は、フックに荷重がかかっている状態では、決して実施してはならない。
 
・オンロード離脱機能の操作試験
1)救命艇の質量の大部分が吊り索にかかっており、水圧インターロック装置(装備されている場合)が始動していない状態まで、救命艇を着水させる。
2)オンロード離脱機構を操作する。
3)オンロード離脱機構をリセットする。
 
・オフロード離脱機能の操作試験
1)救命艇を完全着水させる。
2)オフロード離脱機構を操作する。
3)オフロード離脱機構をリセットする。
4)救命艇を格納位置まで回収し、使用可能状態にする。
 巻上げに先立って、離脱装置が完全かつ適切にリセットされていることをチェックする。
 救命艇の最終格納は艇内無人状態で実施する。
 
・ダビット
 下記項目について、満足な状態及び作動であることを検査する。
1)ダビットの構造
 腐食、位置ずれ、変形及び過大な遊びに注意する。
2)ワイヤー及び滑車
 キンク及び腐食に注意する。
3)ワイヤー、滑車及び可動部分の注油
4)リミットスイッチが機能していること。
5)油圧装置
 
・ウインチ
 下記項目について、満足な状態及び作動であることを検査する。
1)ブレーキ機構の開放及び点検
2)必要があれば、ブレーキパッドの新替
3)遠隔制御装置
4)電力供給装置
 
・ウインチの動的制動試験
1)年次作動試験は空艇を降下させる。艇が最大降下速度に達した時点で着水する前にブレーキをかける。
2)5年毎の作動試験は、ウインチの最大使用荷重の1.1倍又は同等の荷重をかけた艇を降下させる。艇が最大降下速度に達した時点で着水する前にブレーキをかける。
3)試験後、ブレーキパッド及び荷重のかかった部分の構造を再度点検する。
 
・オンロード離脱装置の解放検査
1)フック離脱ユニットの取外し
2)許容値と設計要求値に関する調査
3)組立後の離脱装置システムの調整
4)ウインチの最大使用荷重の1.1倍又は同等の荷重での操作試験
5)重要部品の欠陥又はクラックの検査
染色浸透液試験のような非破壊検査が適当


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION