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 ケース6'の回収作業のイメージを図VI-5.8に示す。
 また、この時の海上の残存油量を図VI-5.9に、回収油量を図VI-5.10から図VI-5.12に示す。
 
図VI-5.8 油回収作業のイメージ(ケース6')
 
図VI-5.9 海上の残存油量(ケース6')
 
図VI-5.10
スキマーTRANSREC250とTDS-200の合計回収油量(ケース6')
 
図VI-5.11 スキマーTRANSREC250の回収油量(ケース6')
 
図VI-5.12 スキマーTDS-200の回収油量(ケース6')
 
 流出後8時間のケース6、ケース6'の回収油量等を表VI-5.1に、流出後72時間のケース6、ケース6'の回収油量を表VI-5.2に示す。
 比較のため、50kl流出の無対策時の拡散シミュレーション(ケース2)の結果を含めた。
 
表VI-5.1 回収油量等の比較(流出後8時間)
項目 無対策 スキマーによる回収防除
ケース2 ケース6
250mU字展張
ケース6'
20mJ字展張
(1)海上の残存油量[kl]
60.1
0.7
2.9
(2)陸岸への漂着量[kl]
0.0
0.0
0.0
(3)スキマーの総回収油量[kl]
0.0
34.9
36.3
(4)蒸発量[kl]
24.1
19.1
17.3
回収率((3)÷((1)+(2)+(3))×100)
-
98.0
92.6
 
表VI-5.2 回収油量等の比較(流出後72時間)
項目 無対策 スキマーによる回収防除
ケース2 ケース6
250mU字展張
ケース6'
20mJ字展張
(1)海上の残存油量[kl]
64.7
0.8
3.1
(2)陸岸への漂着量[kl]
0.0
0.0
0.0
(3)スキマーの総回収油量[kl]
0.0
34.9
36.3
(4)蒸発量[kl]
24.1
19.1
17.3
回収率((3)÷((1)+(2)+(3))×100)
-
97.8
92.1
 
 流出後8時間における海上の残存油量等を比較すると、ケース6(2隻の船舶により250mのオイルフェンスをU字展張して待受回収する方法)の方がケース6'(1隻の船舶により20mのオイルフェンスをJ字展張して約1ノットで進みながら回収する方法)よりも海上の残存油量が少なくなり、回収率が高い結果となった。
 ケース6は、流出油を待受けて回収する方法であるが、実海域における流出油防除実験計画で検討している方法と同じオイルフェンスの長さ(約250m)を用いていること、洋上での待受けは1ノット程度の速力で進むことと実際には差がないことから、ケース6の回収方式で以後のスキマーによる回収防除シミュレーションを行うこととした。


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