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IV 活性化会議
日時  平成17年2月5日(土) 15:30〜17:30
会場  シーホーク ホテル&リゾート 「揺の間」
参加者 福岡県青少年団体連絡協議会 委員長 成清一廣
福岡市公民館長会      会長 飯地大蔵
福岡海洋少年団       保護者 園田智洋
日本海洋少年団福岡県連盟  委員長 権藤正信
             (福岡海洋少年団 団長)
糸島海洋少年団       団長 篠崎哲郎
古賀海洋少年団       団長 力丸敏光
福岡海洋少年団       副団長 宮地純  他指導員6名
 
テーマ 「青少年育成における少年団体の関わり方」
「海洋少年団の活動を活性化するために」
 
 今回のモデル事業のまとめとして、部外の方を交えて、モデル事業における活性化会議を行った。
 それぞれの立場で、海洋少年団と青少年団体の関わり方、地域における少年団体のあり方など、積極的に意見交換を行った。
 会議の結果、いくつかの検討課題に分かれたので、その課題ごとに整理して報告する。
 
[青少年団体から見た少年団]
・福岡県内、海洋少年団に限らず、どこの団体もその規模は、以前に比べてかなり縮小している。子どもをそのような団体にいれようとしない親が増えている。
・対策として、ボーイスカウトは女子を入れるようになったし、ガールスカウトは低年齢を受け入れている。
・たとえば子ども会連合会も、各小学校区にあったものが、6〜7割ほどしか存続していない。理由として、「会費の負担」「保護者への役員の負担」「例年同じ行事の繰り返しで面白みが感じられない」などがあげられる。
・現在、県の事業である「青年の翼」(海外への青年の派遣)に参加する人たちは、ただ行って楽しむだけで、本来の目的である「指導者の育成」につながっていかない。また、いい学校を出ても「ニート」といわれる、定職につかない若者が増えて行く。これは団体教育やしつけがおざなりにされた結果ではないだろうか。これからは地域における地域の教育力の保護が大切。
・海洋少年団も、もっと積極的に親へのアピールをし、団員が増え、活性化できることを望んでいる。
 
[地域の中での少年団体の役害]
・行政が地域にお金をださないために、地域の行事が活性化していかない。 →地域行事のマンネリ化で住民の興味も薄れる。
・週5日制でできた子どもたちのゆとりの時間の受け皿として、少年団体の活動に期待したい。
・公民館では、サークルの中でも剣道が人気である。子どもたちは「厳しさ」を求めているのではないか。
・地域という小さな規模でも、少年団体の活動をPRして一人でも二人でも賛同し協力する人を作れば、そこから更に広がっていく。
 
[保護者からみた海洋少年団活動]
・保護者であり、福岡団のOBとして訓練を覗いているが、昔のようなプライドをもった訓練が感じられない。今の子どもに迎合しすぎているような感じがする。
・厳しさも兼ね備えた、昔ながらの指導を望む。
 
[子どもの現状]
・ゆとりの場を得るための「週五日制」が、ゆとりにつながっていないのでは。
・人のために何かをするという意識が薄れてきている。
 
[親の現状]
・子ども会を含む、団体に携わった時の負担(金銭面・役員など)から、団体活動には参加したがらない。
・親のできない教育(しつけ・厳しさ)を求めている。
・少々遠方であっても、子どもの送迎はいとわない傾向にある。
 
[指導員の現状]
・指導員の不足。
・入団対象の低年齢化により、指導員にこれまでにない指導(年少者対象?)が求められる。
・団の伝統である指導と時代に即した指導が反比例している。
・アメとムチの指導のバランスが崩れてきている(アメが多い?)
 
[指導者の今後の課題]
・指導者の不足は、他団から派遣する形で補えるのではないだろうか。
→福岡県連盟・北部地区連盟のネットワーク
・年少団員の指導については、ガールスカウトやボーイスカウトなどの、実際に幼稚園から入団させ活動をしている団体に聞いてみる。
→青少年団体連絡協議会とのネットワーク
・保護者の中から指導者を養成することも考えられるか。
・今いる団員が「誇り」をもてる訓練をするべきである。
→団員が「自分は他の子と違う」という自信をもち、団活動をやめない。
 
[海洋少年団活動を活性化するには]
・露出度を多くする。
・団の外(の世界)に出る。外から迎え入れる。
・父母会を実施し、保護者の意見を聞く機会を持つ。→保護者との意識の確認
・なるべく経費をおさえたPR活動
学校・市民センター・「〜少年の家」などの施設にチラシを置く
→「教育委員会を必ず通して・・・」がネックになる
・企業をバックにつけることも考えてみては。
(各団で動くのではなく、福岡県連という大きな所帯で動くと、宣伝効果も高くなるので企業が動く可能性がある)
・キャッチフレーズ「海に学び海に鍛える」が一般的には難しいのではないか。
 
[海洋少年団活動をPRする具体的な方策]
(現在取り組んでいることも含めて、様々な案が検討された。)
・教育委員会をとりこんで、チラシ・ポスターに「教育委員会後援」と明記する。
・場合によっては行事に県知事クラスの出席をお願いする。
・団のある地域から、校区のお祭りなどをリサーチし、行事に顔を出し制服もアピールする。
・海洋少年団として指導できる活動を、メニューをつくって公民館などに事前配布し、何かの時に利用してもらう。
・福岡の行政(各区)が行っている「出前講座」(知りたい、学びたい項目の専門家や担当部署が、地区に出向いて講習会をする)のように、「海洋出前講座」に取り組む。
・保護者に興味のある内容を全面に出してアピールする。(例えば、災害の多い昨今の現状に併せて「命を守る・生きる力・生き延びる手段を身につけよう」など)
・PRイベントの際、大人(指導員)が教えるのではなく、団員が教える場面を見せると見学の大人(特に同年齢の親)は、活動に注目するのではないか。
・親の参加が煩わしいのであれば、海洋少年団の場合は、親の参加が必要ないことを、もっとアピールするべきかもしれない。


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