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 長浜署管内(本地区含む)における非侵入盗のうち、車上ねらい・万引きが近年、増加傾向にある。また、侵入盗では、空き巣、忍込みが多く、特に空き巣は近年増加傾向にある。
 
図表2-53 長浜署管内における非侵入盗犯認知件数(上位5種)
出典)滋賀県警察本部「犯罪統計情報−発生地域からみた刑法犯認知状況」より作成
 
図表2-54 長浜署管内における侵入盗犯認知件数(上位5種)
出典)滋賀県警察本部「犯罪統計情報−発生地域からみた刑法犯認知状況」より作成
 
 長浜駅前および第6連合地区における平成16年1月〜7月の間の犯罪発生地点を示したものが下図である。
 昼間時間帯の方が犯罪発生件数が夜間時間帯に比べ多く、大半がJR長浜駅周辺で発生している自転車盗となっている。
 
図表2-55 平成16年1月〜7月の犯罪発生マップ〜昼間(6時〜18時)〜
出典)滋賀県警察本部
 
図表2-56 平成16年1月〜7月の犯罪発生マップ〜夜間(18時〜翌6時)〜
出典)滋賀県警察本部
 
ウ 行政の地域防犯取組動向
 現在の行政の地域防犯に関する主な取組の概略は以下のとおりである。
 
≪長浜市防犯の推進に関する条例(平成13年6月22日制定)≫
・犯罪の未然防止と自主防犯の社会気運を醸成し、安心で安全な住みよい地域社会の実現を図る
≪長浜市防犯推進協議会≫
・条例に基づく防犯推進機関(平成13年12月28日発足)
・市総務部総務課を事務局として、学識経験者、職域防犯活動者、子ども安全リーダー、青少年育成市民会議、防犯自治会、連合自治会、婦人団体連合会などで構成
・防犯施策に関する調査研究、市への提言等を行う。
≪その他主な活動≫
・自主防犯活動支援(防犯計画策定、防犯巡回、防犯診断、ユニフォーム・懐中電灯防犯啓発用資機材整備費、広報等)
・防犯外灯設置助成 等
 
エ 主な地域防犯団体の活動概要
≪第6連合自治会防犯部会≫
【防犯活動への取組の背景、経緯】
 昭和48年に市の防犯委員が当時の第6連合自治会連合自治会長に設立を相談したところ、中心となって設立することを勧められ、傘下自治会長経由で各団体から7人が集まり結成について相談協議し設立した。趣意書や規約類は作成していない。
 防犯活動の実働メンバーの確保は各自治会の動員によった。
 活動拠点は、当時の連合自治会長が店舗の倉庫を無料で供出してくれた。資金面でも会長が各種寄付してくれた。
 
【主な活動組織の概要、活動内容・成果】
 現在の活動は、自治会役員が中心となって7自治会を核に実施している。活動資金は全額各自のボランティアによる。
 主な活動は、(1)春・夏(大通寺の夏中法要期間)・冬の防犯パトロール、(2)懇談会(年1回、年末、会場は曳山会館を借りる)である。
 夏中法要期間は特に若者のたむろ、喫煙、一般人に対する脅し、すり、店舗への嫌がらせ等が多発することから、警察官が同行し、腕章をはめてパトロールする。
 活動の成果としては、地域の多くの住民から感謝されていることがあげられる。
 
【今後の活動発展の課題、地域での役割の方向性・展望】
 これまで市役所や警察署の応援の下に活動が推進されてきた。しかし現状のままでは、各自治会長の意向に左右される活動組織の域を超えられない。今後、組織構成、活動に関する定款づくりを含めて、地域により認知される新組織に改革することが必要であるとリーダー層は認識している。
 具体的には、現在のような1年交代でかわる自治会役員ではなく、まちづくりに結び付けて考えることができて実際に取組むことができる人材に組織化を任せ、活動内容も現在の活動のほか、防犯の意識啓発の広報誌を年間2回発行し配布することなどが考案されはじめている。なお、具体的な検討調整は今後である。
 
オ 今後の地域防犯活動の発展・定着に資する地域資源例の概要
 子ども110番の家や、子ども会の「夜回り太鼓」が、今後、当地区での住民による防犯活動と連携協力することが見込めるが、具体的な展開は今後である。
 
(2)住民の、地域の安全性に関する認知状況、および防犯活動への参加意向
 今回実施した「不安感マップアンケート」回収結果から、主に以下の点が明らかになった。
 
ア 地域の安全性に対する評価・危険だと感じる理由
 安全側の評価が6割強、危険側の評価が2割強となっており比較的安全であると感じている回答が多い。危険だと感じる理由としては、「外部から見知らぬ人がやってくるから」が8割を超えており、観光地ならではの匿名性の高さが不安感を高めていることがうかがえる。
 
イ 地域連帯感(近所づきあい)に対する評価
 「顔なじみの人が多い」との回答が6割強を占めている。平成7〜12年の定住率(約90%)の高さ、「商店街住民」「山組」等の多様なコミュニティの存在など、地域のつながりの強さがうかがえる。
 
ウ 地域で行われている防犯活動の認知度
 夜回りの認知度は極めて高いが、その他の活動に対しての認知度は比較的低い。
 
エ 地域で行われている防犯活動への参加経験・不参加理由
 「参加したことがない」人は1割に過ぎず参加率は極めて高い。大半が「夜回り」への参加であるが、防犯講習会への参加率も高くなっている。不参加理由としては、「地域団体に属していない」が最も多く4割弱を占めている。また「必要性を感じない」とする意見も多い。観光地化した長浜に新たに流入してくる新住民と旧住民との間の交流機会を増やし、地域防犯活動協力への共通理解を得ていく必要がある。
 
オ 今後の地域防犯活動のあり方について
 「警察警備体制の強化」が最も高く、警察警備体制以外の取組が重要であるとする割合が比較的低い。体感治安が高いことを背景として、地域自衛型防犯の必要性に対する認識の低さがうかがえる。







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