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私はこう考える【中国について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1989/04/26 毎日新聞朝刊
中国、民主化運動抑圧へ 北京放送が人民日報の社説流す
 
 【北京二十五日金子秀敏特派員】北京放送は二十五日夕、「旗色を鮮明にして動乱に反対する」という「人民日報」社説(二十六日付)の全文を朗読し、北京など全国で発生している民主化運動をこれ以上放置しない政府当局の姿勢を明確にした。とくに民主化運動に対し「全党、全人民の直面する重大な政治闘争である」「党の指導と社会主義制度を否定する策略である」と最も強い表現を使っており、当局が強圧方針に転じるのは必至である。
 同論文はまた、各大学で、既成の学生会を「学生を代表していない御用組織だ」として、学生の個人参加による「自治会」が結成されだしたことに対し「奪権が行われている」と、強い調子で批判した。
 中国では八七年一月、胡耀邦氏が総書記を失脚したのと前後して「旗色を鮮明にしてブルジョア自由化に反対する」という人民日報社説が発表され、その後、大学内の民主化運動に強い圧力をかけられ、民主派知識人の党籍はく奪などの処分が強行された。今回の「旗色鮮明」も、当局の強い決意の表明とみられる。
 これに対し北京大学では同日夜、学生二、三千人が学内で集会を開き「われわれの行動は合法、合憲だ」と人民日報社説に激しく反発した。同夜、北京大学では学生組織から一部脱落者が出て「新準備委員会」が成立。同メンバーが記者会見し、今後、政府当局の圧力が強くなった場合の対応について「再度デモを敢行するかどうか、検討中である。弾圧に対しどう対処するかは当局の出方を見ないとわからない」と述べるとともに、これまでの行動が合法的なものであり、今後も現在の宣伝活動は続けていくことを強調した。
 また北京大と並ぶ名門、清華大では同日、政府代表と学生代表の「対話」が予定されていたが、学生側の代表が決まらず、流れた。政府側は国務院、国家教育委員会、中国共産党北京市委の次官クラスが党市委本部で待機したが、学生側はだれが真に学生を代表しているかでもめ、代表を送れなかった。
 一方、来月四日の「五・四運動七十周年記念日」にむけて大規模な民主化要求デモを組織中の北京の各大学では、二十五日から学生が市内に出て市民に街頭カンパと演説を始めた。
 大学ごとに場所を決めていること、演説の内容がそろっていることなど、活動を指導している「大学臨時連合会」という横断組織的の実力を示している。
 市内の繁華街の一つ、東単の交差点では、北京師範大の学生がカンパの箱をかかげ、「四・二〇事件」(武装警官が中南海前で座り込んでいた学生デモ隊を実力排除した事件)の“弾圧の真相”や、学生の請願に回答しない政府の不誠実さを市民に訴えた。
 すぐに物見高い市民で黒山の人ができ、カンパに応じる市民も多く、近くの屋台でアイスクリームを買い込み差し入れる主婦もいるなど、市民の反応は同情的だ。公安当局も規制せず、警官もヤジ馬化して人がきの後ろで背伸びして学生の演説を聞く風景も見られた。
 しかし上級幹部の腐敗や特権、ひどいインフレなど現状に激しい不満を抱く大方の北京市民は「腐敗反対」などの学生デモのスローガンに共感しているものの、民主化要求の政治スローガンには無関心や、あきらめが強く、運動が政治改革要求に向かって先鋭の度を増すにつれ、市民と学生の感覚に差がでている。
 
 
 
 
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