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ローゼンダール弘子・寺本(ひろこ・てらもと)(1932.3.30生) オランダ王国
 
 オランダ王国、デン・ハーグで20年前から、所持金や航空券の盗難などの被害に遭った日本人旅行者やオランダ在住日本人の世話をご子息とともにボランティアでされている。また日系二世の訪日や父親探しなど、多岐にわたる支援活動を展開されている。
(推薦者:表 彌生)
 
Ms. Rozendal Hiroko Teramoto
(Born on March 30, 1932)
Kingdom of the Netherlands
 
 Ms. Rozendal Hiroko Teramoto has been voluntarily assisting Japanese tourists who had their money or air tickets stolen and local Japanese people, together with her son, in Den Haag for 20 years. She is also involved in a wide range of support activities such as helping second-generation Japanese descendants to come to Japan and find their fathers.
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 寺本さんはオランダ在住23年、日本大使館のあるデン・ハーグに移り住んで22年になる。日本大使館から頼まれて日本の老婦人を預かり、日本に帰国するまでの一ヶ月間面倒を見たことがきっかけとなり、以後寺本宅は、所持金や航空券の盗難などの被害に遭った日本人旅行者の駆け込み寺となってきた。被害に遭った日本人旅行者のほとんどが英語をはじめ外国語が理解できないため寺本さんと五カ国語に堪能なご子息の正寿さんに協力が依頼される。寺本さんは、大使館やオランダの警察から連絡が入ると、被害者を引き取りに行き、帰国まで自宅で世話をする。送金の受取や、航空券の再発行等も寺本さんが行い、費用を立て替えることもしばしばである。日本の家族や旅行会社との連絡は、時差のため夜中にせざるを得ない。寺本さんへの依頼数は、過去年間平均120件前後に上る。最近では、麻薬に手を出し帰国できない者を引き取り、麻薬が体から抜けるまで看護することもある。その他留学生の家探しや家主とのトラブルの解決等も行ってきた。
 また寺本さんは第二次大戦当時、日本人男性と蘭印系またはオランダ女性との間に生まれ、反日感情が強いため日系であることを言えずに育った日系2世達の訪日支援や父親探しを行うグループにボランティアとして参加し、父親の故国を訪問することで少しでも二世達の心を癒せればとその活動にも没頭している。
 
受賞の言葉
 多くの人々と受賞を喜び合いました。
 中でも地獄のような処から助け出して引きとったおばあちゃん(一人暮らしの日本婦人)が天国から一番喜んでくださり、受賞にみちびいてくれたことと思います。
 第二次大戦中(オランダ領)インドネシアを占領した日本に対して今も根強くよい感情をもっていないオランダでのくらしは、他の外国よりもきついものがあります。戦争の後始末を手伝い、日本に伝えたいことを思いつつやってきました(日本人の父親探しのグループ)。
 戦争がなければ数も少なくなり平和な生活を世界中の人々が暮らすことができます。
 世界の平和を祈りつつ受賞を祝います。
 
 
日本人の父親探しグループ「桜」の人達と
 
 







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