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「北前船とその時代」展 図録

 事業名 海と船の企画展
 団体名 中国海事広報協会  


 
特別展
北前船とその時代
―鞆の津のにぎわい―
■二〇〇四年十月七日[木]〜十一月二十三日[火・祝]
■主催 福山市鞆の浦歴史民俗資料館・福山市教育委員会
福山市鞆の浦歴史民俗資料館活動推進協議会
(社)中国海事広報協会
■後援 福山市鞆の浦歴史民俗資料館友の会
国土交通省中国運輸局・(財)日本海事広報協会
 
 鞆の津(浦)は、万葉の時代から、海上交通の要衝として、瀬戸内で最も栄えた港町の一つです。この大きな要因は、瀬戸内海の中央部に位置し、「潮待ち」に適していたからです。この度、本展で、日本財団の助成により、その様子を分かりやすく模型で表現します。
 江戸・明治時代、潮待ちの港・鞆は、17世紀中ごろ開拓された西廻り航路(北海道から日本海廻りで大坂を往復する)の『北前船』をはじめとする様々な商船などが入港し、活況を呈していました。
 北前船の最大の商品は、米や干鰯、ニシンなどがあげられますが、北前船の大きな特徴は、それぞれの寄港地で積荷を売り、新たな仕入れもする、言わば総合商社であったという点です。
 この海運の時代、北前船によってもたらされたものの中には、商品だけでなく、文化も風に乗り、潮に乗り各地へ伝わりました。
 これら全国にその影響をあたえた北前船の歴史や、鞆の浦と各地との幅広い交易を紹介します。
 また、北陸、関西の各博物館から北前船関係の絵馬、望遠鏡、和船大型模型、鞆の浦との商いを記録した古文書、鞆の浦から伝わった引札など貴重な史料を借り受けて展示します。
 にぎわった当時の港や町並みの色濃く残る当地で、この特別展を開催する意義は、大きなものがあると思います。当館では、『鞆まるごと博物館』と考えており、本展のほか、当時の史跡も併せてご見学くださるようご案内申し上げます。小さな特別展ですが、考え様によれば、北前船の展覧会では、最大の規模になるのではと考えています。
 終りに、貴重な史料をご出展頂きました方々をはじめ、本展の開催にあたり、ご指導、ご協力頂きました皆様に心よりお礼申し上げます。
二〇〇四年十月七日
福山市鞆の浦歴史民俗資料館
 
凡例
一、本書は、福山市鞆の浦歴史民俗資料館において二〇〇四年十月七日から十一月二十三日まで開催する「特別展 北前船とその時代 −鞆の津のにぎわい−」の解説図録である。
一、展示資料の中には、図版に掲載していないものもある。
一、会期中に一部展示替えを行う。
一、解読・解説は、図版掲載のページに入れたが、そうでないものは巻末に入れた。また、解読のないものも一部ある。
一、解説は当館友の会会員の協力を得て、当館の水本真由美と檀上浩二が担当した。古文書解読は当館友の会の古文書文献研究部会が担当した。また、既に参考文献にその解読があるものは、それを参考とした。
一、原則として文中の名前には敬称を略した。
一、校正には、池田一彦氏、釜谷勲氏、戸田和吉氏にお世話になった。
 
表紙
(上)
松前屏風
松前町郷土資料館蔵
(中)
引札(備後鞆の津)
当館蔵
(下)
天保山風景図
大阪歴史博物館蔵
 
裏表紙
模型和船
新湊市教育委員会蔵
 
大正時代の鞆の浦(森下博法要記念帖 大正11年より)
 
 いわゆる「北前船」は、17世紀中ごろ開拓された西廻り航路で、北海道から日本海廻りで大坂を往復する大規模な商船である。その船の形を「弁財船」などとも呼び、また、俗称として「千石船」とも呼ばれている。
 北前船の最大の商品は、米や干鰯、ニシンなどがあげられるが、北前船の大きな特徴は、それぞれの寄港地で積荷を売り、新たな仕入れもする、言わば「総合商社」であったという点である。上手くいけば、舶主には「一航海、千両」と言われるぐらい莫大な富がころがりこむ。また、各地の商人も、大きな利益をあげた。
 瀬戸内の鞆の津へは、綿花、畳表の栽培に必要であった魚肥の干鰯、ニシンなどや各地のあらゆる特産品が入り、鞆の津からは、木綿、畳表や鞆の特産品の船釘・錨、保命酒などが出て行った。また、鞆の津では、そこで買った商品をまた、他へ転売する「中継貿易」も盛んであった。
 
北前船の模型(天昭丸)
神戸大学海事資料館蔵
 昭和5年(1930)、天野造船所(大阪)の天野三吉氏によって製作された明治中期の北前船の模型。長さ約1mの小型のものであるが、実際の和船と同様の材料を使用し、構造も細部に至るまで精巧に作成した逸品である。
 
模型和船
新湊市教育委員会蔵(新湊市博物館保管)新湊市指定文化財
江戸時代末期
 鎌倉時代から日本海貿易で栄えた北陸の大湊である越中国放生津(ほうじょうづ)(富山県新湊市放生津町)の材木商の柴屋彦兵衛(しばやひこべえ)が所有した弁財(べざい)船(北前船のこと。富山では「ばい船」とも称する。)の「長舟丸(ながふねまる)」(600石積、8人乗り)を縮小した模型。
 柴屋は加賀藩の御用材木商で、早くから津軽通いの大船を持つ北陸の海商であった。1803年8月、北陸測量に訪れた伊能忠敬が柴屋を宿所としている。
 この模型は、「船玉さま(ふなだまさま)」と呼ばれ、毎年正月に北前船主が乗船員を招いて海上安全・商売繁盛を祈る行事「起舟(きしゅう)」の際に座敷へ飾られ、船の御霊代として崇められたという。
 この和船大型模型は、江戸時代の北前船の模型としては、日本一の大きさを誇る見事な逸品である。







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更新日: 2020年11月28日

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