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(2)新型タラップの主な特徴と構造
 新型タラップの主な特徴7つを表2-2-1に、主要部の名称を図2-2-2にあげる。
 
表2-2-1 新型タラップの7つの特徴
1. スロープ・ステップ切り替え式のタラップである。
2. タラップが急になった時でも、水平を保ったステップ式で安心して利用することができる。
3. タラップの角度が小さな時はスロープ式とすることで、スムーズな上り下りができる。
4. スロープ式は車いすでの利用に配慮している。
5. 耐食アルミ合金で軽量化されており、少人数でも運用可能である。
6. キャスターはハンドル駆動式であり、前後の移動は1人でも行うことができる。
7. 電源は不要で、機構がシンプルである。
 
図2-2-2 新型タラップの各部の名称
 
 新型タラップの最も大きな特徴は、スロープとステップの切替式になっていることである。切替は、切替レバーに差し込んでいるトグルピンを引き抜き、切替レバーを倒す/起こすだけの簡単な操作で行うことができる。スロープとステップを切り替える角度の目安は約15度で、15度以上で使用する場合はステップ状で使用することが望ましいとされている。また、タラップの上昇と下降は、油圧ハンドルを回転させる/ニードル弁を開くことででき、大きな力を要せず操作できるようになっている。
 タラップの移動については、フェリーへの接続作業が少人数で行えるよう移動ハンドルがつけられており(左回転で前進、右回転で後進)、1人で前後移動を行うことができる。一連のタラップの操作がいずれも大きな力を必要とせず、男女問わず1人でも操作ができること、またすべての操作が手動で行われるため電源を必要としない機構となっていることも、特徴の1つである。
 このほか、スロープ及び階段ステップ上面部は砂まき滑り止め舗装がほどこされており、床がすべりにくい仕上げとなっている。
 車いすでの利用については、(1)15度以下ではスロープ状で使用し、介助者が付き添う、(2)角度が15度を超える場合は車いすにロープをかけフェリー側から牽引する、(3)角度が20度を超える場合は車いすに乗った状態でのスロープ使用は避けるとされている。車いす利用者は、角度が20度以上になるなどの急勾配時にはタラップを使用せず、車両甲板から乗降することとなる。
 
図2-2-3 ステップ(階段)時
※タラップの傾きが急になっても、ステップはいつも水平である
 
図2-2-4 スロープ時のタラップの床面







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