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私はこう考える【公営競技・ギャンブル】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2000/10/20 読売新聞夕刊
遠望細見 競輪別世界 小倉のドーム ナイターで華やか雰囲気
 
◆アフター5の気軽なレジャー 家族連れやカップルの姿も
 仕事を終えた夕暮れ時。ドーム内に足を踏み入れると、そこは、これまでの競輪のギャンブル場とは、雰囲気が一味違っていた。
 「野球のナイターに来たような感じ」(二十四歳、OL)、「ギャンブルというより、レジャー感覚」(二十五歳、男性会社員)、「建物がきれいで一度入ってみたかった」(三十一歳、主婦)。
 「くらい」「きたない」「おやじっぽい」――。若者が嫌う“三点セット”のイメージがつきまとう公営ギャンブル、競輪。
 日本の競輪発祥の地でもある北九州・小倉けいりんは、ピーク時の一九七三年には、年間約七十万人以上の集客能力を誇った。だが、人気は下降線の一途をたどり、ここ数年は約三分の一の二十五万人前後で推移。しかも、客層の高齢化が著しい。そこで主催者の北九州市は、サラリーマンやOL、家族連れなど新しい客層を開拓しようと、今週(十八―二十日)から、西日本では初めて、ナイター競輪をスタートした。
 
 この日は普段より約五時間遅い午後三時五十五分に第一レース出走。「はい、大穴あるよ、大穴あるよ」「第一レース、これで決まりね」と、予想屋たちの声が響き、その周りを取り囲んだ「おやじ」たちが、競輪新聞に赤ペンを走らせる。スタート時には、「頼むぞ」だった声援が、最終コーナーにかかると、「てめえ、まじめに走っているのか!」と怒号に変わる。
 ところが、午後六時ごろ場内を見回すと、仕事帰りっぽいスーツ姿の男性や、カップル、家族連れなどがポツポツと目に付き始めた。場内で両替を三十年以上している女性(52)も「今日はちょっと雰囲気が違うねえ。なじみじゃない客が多いよ」。
 
 奥さんの弓子さん(31)に誘われて来たのは前田真吾さん(28)一家。初めて生で見る競輪に「最後の追い込みは迫力がありますね」と楽しそう。後藤和也さん(25)、石橋陽子さん(24)カップルも競輪は初めて。「選手の出身地とか、カンを頼りにかけてますが、全然勝てませんねえ。アハハ」とさっぱりしたものだ。
 一席三千五百円のロイヤル席にいたサービス業の男性(36)は、妻(24)同伴。「昼は別の所で遊んで、夜はゆっくりと競輪を楽しみ、それから食事が出来る。休日が有効に使えますね」と、なんともゴージャスな答え。
 彼らにとって、競輪場は一レースに何十万円も張って一獲千金を狙ったり、有り金全部をはたいて、帰りの交通費もない、などといった一昔前のギャンブルのイメージではなく、新しいデートスポット、といった感覚もあるようだ。車券の購入も、数百―数千円の比較的少額とみられるが、たまたま穴が的中し、新しい客層が、ギャンブルにはまらないという保証は無いけれども・・・。
 
 予想屋歴二十年の生田研司さん(36)は、「選手保護のため、体やひじでぶつかったりする競りが少なくなった。こぢんまりとしていてつまらないよ」といい、やはり予想屋のよしえさん(55)は「今はドーム内の飲食規制が増えたからねえ。安いコップ酒を飲みながら見る、それが本当の競輪なのに」と寂しそう。アフター5の開催で、“斜陽”だった競輪の歴史が、大きく変わろうとしている。
 ナイター競輪に行く前、街の若い女性にイメージを聞いたが、悪評ばかりだった。ところが、十人中七人が「でも、一度は行ってみたい」と答えた。そんな人たちのハートをとらえられるか、これからが正念場だ。
村方 和樹
<小倉けいりん>
 1948年開設。ナイター競輪は全国50か所の競輪場のうち、函館、平塚に次いで全国3番目。電話での発売額は約10倍増の一日約1億円が見込まれている。これからの開催日は10月22―24日、2月27―3月1日、3月28―30日。収益は市の一般会計に繰り入れられ、63―99年の合計は約328億円。
 
 
 
 
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