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「沖ノ鳥島の有効利用を目的とした視察団」報告書

 事業名 海洋・船舶の実情調査及び研究等
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


4. 開発する施設
 沖の鳥島において提案した開発を実現するためには、定住し経済活動を可能とする社会インフラを創出することが前提となる。
 
(1)熱帯海洋開発研究センターの研究・居住・生活施設
(1)研究施設
・研究者およびその関係人員数;50〜100名
・延床面積;3,000m2
(2)宿泊棟
・宿泊施設;50室程度
・延床面積;4,500m2
(3)設備棟
・淡水製造装置、生鮮野菜生産プラント、冷蔵倉庫(500m2規模)
・延床面積;4,500m2
 
(2)産業施設
(1)開発する産業施設
・海底鉱物資源の採取、加工施設
・遠洋漁業の中継基地
・深層水を活用した海洋牧場
・マリンアミューズメント施設および宿泊施設
 
(2)施設の規模
 民間事業規模は現段階で想定できないため、生活施設は第1期と同程度とする。
 
(3)人工地盤の設置
 人工地盤は開発段階に分けて拡充していく。なお、人工地盤は東小島および北小島と一体化する構造とする。
 
(1)人工地盤の造成仕様規模
 
表 人工地盤の造成仕様規模
第1期 第2期
用途 研究施設 3,000 m2 用途 産業観光施設 29,000 m2
生活施設 9,000 m2 生活施設 9,000 m2
港湾施設 5,000 m2 港湾施設拡充 10,000 m2
    空港(1,500m規模) 200,000 m2
造成面積   17,000 m2 248,000 m2
全体開発   265,000 m2  
 
 
(2)人工地盤の造成方式
 人工地盤の造成方式として、桟橋(ジャケット)方式、埋め立て方式および既成ポンツーン設置方式など、海洋工事における地盤造成方式が各種考えられる。
 
表 人工地盤の造成方式比較
工法 工法の特徴 工法適応上の課題
桟橋方式 杭式の人工地盤
海域環境の変化少ない
施工速度も相対的に速い
杭打ち船の施工性確保
ジャケット吊上げの施工性
埋立方式 護岸構造物を設置し内部を埋立てる
港湾浚渫砂を利用できる
海域への影響大きい
埋立材料の量的確保
造成速度は遅い
消波、越波対策必要
ポンツーン
設置方式
コンクリート製のポンツーン(函)を曳航し、設置、バラスト土砂充填
構造物の品質が確保される
接地面を事前に水中掘削し、水中コンクリートで均す必要がある
 
(4)エネルギーおよび造水施設の開発
 沖の鳥島は独立してエネルギーおよび飲用水を供給できる施設を持つ必要がある。
(1)エネルギー施設
 独立した離島などで導入できるエネルギー施設として、太陽光発電、風力発電、波力発電およびOTECなどが考えられる。エネルギー施設は立地環境および設置コストを検討して選定するが、複数のエネルギー施設を複合するハイブリット型発電方法も考えられる。
(2)造水施設
 エネルギー施設から得られるエネルギーを活用して海水を淡水化する様々なシステムが開発されており、沖縄の離島などでの導入が検討されている。沖の鳥島においても立地環境および供給水量を勘案してシステムを選定する。
 
(5)交通アクセスの確保
(1)港湾施設
 第1期の開発において人工地盤構築および貨客輸送のために、沖の鳥島礁湖内の西側に港湾施設を設置する。港湾の陸上施設は第1期の人工地盤造成に含む。
・岸壁延長:150m
 
(2)空港施設
 緊急時の人及び物輸送のための空港施設が求められるが、以下の条件を確認した上で、空港機能を設定する。なお、空港開設に当たり以下の項目を検討する必要がある。なお、人工地盤造成規模として、1,500m滑走路を確保できる150,000m2を設定する。
・沖の鳥島は最近接の那覇空港から1,100km離れており、南大東島からでも900km離れており、離島を結ぶ既存の定期航空機材は使えない。少量輸送のために、大型の航空機材を利用することは不経済である。
・調達できる航続距離の長い航空機材によって滑走路が規定される。
・航続距離のある汎用航空機材を想定すると、B737クラスとなり、2,500m程度の滑走路を用意する必要がある。一方、DHC-8(現況の航続距離:1,900km)やSAAB340B(現況の航続距離:1,400km)などを遠距離飛行用に改造したものならば適応できる。(因みに海上保安庁のSAAB340Bは航続距離3,400km)
・新明和の水陸両用機材は有益であるが民間では採用していない。(自衛隊機材)
 
5. 総括
 本提案において、沖の鳥島において定常的な経済活動が定着するための提案を行ってきた。実現に当たって、現地の諸条件を確認した上で実現性を確認する必要があるが、開発の大きな方向性を見定めることも、意義ある検討と認識している。
 以下に本提案を具現化する上での、留意点をまとめる。
 
(1)現地の状況に合致した計画と建設工法
 沖の鳥島は台風の発生地に位置しており、現地の気象、波浪条件や島の地盤などの状況を綿密に調査した上で、開発計画や建設方法を検討する必要がある。また最寄り補給拠点那覇から1,000km以上離れていることも、開発計画及び施工法を決定する要因となる。
 
(2)事業スケジュールとコスト
 領土としての明示行為となる定住環境の開発は緊急課題であり、段階開発の第1期開発がこれに相当する。従って第1期の開発は実現時期の速さを優先した開発計画と建設方法を選択する必要がある。また第2期の開発は民間の事業に利用するため、経済性を優先した開発計画と建設方法を選択する。
 
沖の鳥島開発/施設配置イメージ図
 
施設の概略規模
施設 規模 単位
研究・居住地区 50,000 m2
港湾地区 15,000 m2
滑走路島(駐機場含む) 200,000 m2
泊地 100,000 m2
防波堤 900 m







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更新日: 2020年11月28日

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